投稿小説が全て無料で読める書けるPiPi's World

平和への道のり
【アクション その他小説】

平和への道のりの最初へ 平和への道のり 50 平和への道のり 52 平和への道のりの最後へ

Ethno nationalism〜契り〜-15

「ナオさん!!」

怯えた目で静代を見る藤田。

「もうオレに関わるな!オレは殺されるんだ」

「ナオさん!何があったの?しっかりしてよ」

「オレの友人が殺された!次はオレの番だ!」

自暴自棄の藤田。その時、静代は彼の頬を叩いた。

「しっかりなさい!」

静代は涙を溜めて訴えかけた。
その瞬間、藤田は正気を取り戻し、静代に頭を下げる。

「…すまない。取り乱してしまって…」

その口調はいつもの藤田に戻っていた。

「何があったの?」

静代の問いかけに、藤田は苦い顔で言った。

「…ボクは明日にもイギリスに発つよ。今、言ったように、これ以上、ここにいれば君にも迷惑が掛かる」

そう言って、その場から離れようとする藤田。

「待って!!」

静代の叫びが藤田の足を止めた。
藤田の目が、静代を捉える。
静代は俯いてしばらく黙っていたが、やがて、

「…今日……」

藤田は黙って聞いていた。

「今日、お父さん居ないの……親戚の家に行ってるの」

静代はそう言って藤田の目を見た。その瞳は愁いを帯びていた。

藤田は血が逆流するような衝撃に襲われた。そして、そのまま静代の家へと入っていった。


平和への道のりの最初へ 平和への道のり 50 平和への道のり 52 平和への道のりの最後へ

名前変換フォーム

変換前の名前変換後の名前