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サカナとスイソウ。
【エッセイ/詩 恋愛小説】

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サカナとスイソウ。-1

暗闇にボンヤリと、
浮かび上がる、
碧。


アタシと、
アナタだけの世界。


アナタは
サカナ。


優雅に泳ぐ。


アタシは
スイソウ。


優雅に泳がせる。


ゆらゆらと、
波紋。


静かに、静かに、
揺れる水面(ミナモ)。


満たされた液体。


なみなみと
あたしのナミダ。


ねぇ、
あなたの海と同じ味?


あたしの中で、
呼吸して、
あたしの中で
溶けて、混ざって

いっそ、
消えてしまえ。


そしてね、いつか。


あたしの
なかで、
泳ぎ疲れて、


あの海に、
還るのならば、


その時は、
あたしの記憶も、
あなたの記憶も、


綺麗さっぱり、
失うのが約束。


クラゲみたいにね、
死んだら、
跡形もなく、
消えてしまうの。


上昇して、
はじける、
水泡の様に。


まるで、
泡沫(ウタカタ)の様に。


その存在さえ、
確かだったか、
思い出せない様に。




あぁ、でも。
揖屋…。


忘レタリ、…シナイデ。


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