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あたしが髪を切った日
【悲恋 恋愛小説】

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あたしが髪を切った日-2

私の家の前の道をまっすぐ行くと公園があって
そこから右に行ったところに踏切があって

私はなぜか駅まで走って言った

走りながら移り変わる景色

頭の中では彼方の名前を連呼していた
駅に着くと数台のパトカー
KEEPOUTの文字が入ったテープ

何かが可笑しかった


後から、パパがやってきて
私の目の前で
ありえないことを叫んだ

「彼方君が死んだって本当ですか!?」


嘘だ。

そう思ったのに

警察の人は
顔を縦に振った

「彼方…」

私がそっと呟くと
星がきらめく空へと消えた

冬の風は寒くて
私のベリーショートの髪をフワフワと撫で付けて行った

遠くに赤い、赤い彼方の血が見えた




私は、その血を見ていれなくて
無意識に上を向いた
空には星が瞬いていた





次の日の新聞の三面に
小さく、彼方の事を書いた記事が載っていた
警察は飛び込み自殺だと見てるらしい


自分から電車に飛び込むほど
何が彼方を苦しめていたのか
分からなくて
お葬式の時もなぜか涙が出てこなかった




写真に写る彼方は

私の目の前で笑うような笑顔でもなく
ただ、無表情に笑っていた




あたしが  髪を切ったのは

君の為

あたしが  髪を切った日は

君が空を瞬く星になった日


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