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聖なる夜に…
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純白の訪問者-2

「お前が早番だとすると、夜は高橋か?」

二宮はコートを脱ぎながら、

「そうです。高橋さんですね」

敦の顔が曇る。

(…何もなけりゃ良いが……)

高橋守。25歳。同じく敦の部下で、非常に頭はキレるのだが、時々カラ回りし過ぎてポカを出す。

先日もホストコンピューターをシステムダウンさせた。あの時はサブのホストコンピューターを並列運用していたおかげで事無きを得たが、一歩間違えば大変な惨事だったろう。

(…まあ、そう何度も失敗しないだろう……)

敦はデスクから立ち上がると、窓の外を眺める。

「…雪か…」

昨夜からの冷え込みのおかげで、朝からはらはらと〈純白の訪問者〉が表れている。

(…あれから1年か…早いな…)

ふと思いに耽る。それは沙耶と初めて出会ったクリスマスイブの夜だった。
あれがきっかけで知佳子を立ち直らせ、めぐみと付き合う事になった。

敦はフッと笑みを浮かべると、両手を挙げて伸びをしてデスクへと戻った。

辺りを見回す。
高橋は更衣室に行っていて誰もいない。

敦は素早くキーボードを叩くと、送信して画面を変えた。


めぐみが給湯室から総務課の自分のデスクに戻ると、携帯が着信を知らせていた。

(……?)

敦からのメールだった。内容は今夜7時に〈リストランテ トスカーナ〉に来てくれという事だった。

(まったく!口で言えば良いのに……)

そう思うめぐみの目は細まり、口元は緩んでいた。





ー昼休みー

ガランとしたフロアには数人の社員が昼食を摂っている。その中に敦もカップ麺とおにぎりをデスクに並べて食べていると、

「相変わらずわびしい食事ですね」

めぐみが近寄って来た。敦は相変わらず無視して食事を続けていると、となりの高橋のデスクに座り、

「相変わらず素直じゃないな〜」

そう言って上目遣いに覗き込む。

「…なんの話だ?」

「さっきのメール……」

敦は〈フンッ〉と鼻を鳴らして、横を向いて食べ出した。その仕草がめぐみには可愛らしく思えた。


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