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ヴァンパイアプリンス
【ファンタジー 官能小説】

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ヴァンパイアプリンス5-9


―…
「あ、もしもし?」
『お-♪宏樹!!』
「あのさぁ-、俺の小さい頃の事覚えてる?」
『ん-。まぁある程度はな。』
「千恵って子いたじゃん。」
『…ん-。…あぁ!!目、光ったぁッて言ってた子か!!』
「うん…。でさ、俺の目、今も光るの?」
『…ぶぁ-------か!!笑』
「へ?」
『吸血鬼の目が光るって、そんなんあるわけないやんかぁ!!(爆笑お前、未だにソレを信じてんのぉ?!だっせ--ぇ!!ッてかさぁ、よく考えてよ。宏樹くん。コウモリって超音波で物の位置を確認するんだで?目が光るなんてありえんすぃ〜』
「…はぁぁ!?じゃあ千恵が見たのは…」
『あぁ〜。見間違えじゃね?』
「………そうか…」
何だか全身の力が抜けた。
『…お前が考える程、俺達は人間離れしてないぞ。』
「うん…。」
『…元気でやってるか?』
「うん。元気だよ。」
『今度、沙詠子と帰るから…それまで月下ちゃん、逃がすなよ』
「当然。じゃあな」
―…カチャ
電話を切ると、今まで悩んできた事がバカらしくなった。
月下…
俺は…
人間として…
生きてもいいのかな…気付くと、宏樹は涙を流していた。
一つ、月下に近付けた気がした。


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