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「あなたがいない、これから」
【悲恋 恋愛小説】

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「あなたがいない、これから」-3

お兄ちゃん、私、あなたが好きだよ。

ねぇ、ほんとは、わかってるんでしょ?
私がどれだけあなたを想っているか。

ちゃんと、伝わってるかな。
伝わってはいけない、この気持ち。
想っても想っても、伝わらないのなら。
いっそのこと捨ててしまおうと。
いっそのこと、消し去ってしまおうと。
そう思ってた。



 『お兄ちゃん』って、今まで呼んだこと、なかったけれど。

最近は、呼ぶようになったんだ。

ほんとのお兄ちゃんに、なってほしかったから。
お兄ちゃんとしてでないと、あなたと一緒にいれないから。
私たちは、兄妹だから……………



 潮風に揺れる彼の前髪。
そこから覗く優しい瞳が私を見つめるたび、心が強く締めつけられた。

私がここから、兄がいるこの場所からいなくなるのは、他でもなく私自身の為。
はじめから、簡単に捨てられる気持ちじゃなかったから。
せめて、置いていきたかったの。

今度会う時は、ちゃんと笑うから。
例えばその時、あなたの隣に誰か、心に決めた人がいたとしても。
大丈夫。
ちゃんと笑えるから。
だから、安心して。


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