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恋愛模様〜ラブレボ〜
【学園物 官能小説】

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恋愛模様〜ラブレボ〜-2

同時刻。特進クラスは今から自主学習の時間だ。
伝説持ちの男、烏丸五良は図書室で調べモノを…と移動していた。

「烏丸君、今回も素晴らしい成績だったね。私も校長として鼻が高いよ。」
「諸先生方のご指導の賜です。これからもご期待に添える様、努力します。」
五良は微笑む。

「烏丸先輩、チワッす!この間は剣道部の助っ人有難うございました!またよろしく頼みます!」
「微力ながらお役に立てて嬉しいよ。また何時でも声を掛けてくれ。」
五良は微笑む。

「あ…の烏丸先輩っ!クラブメンバーでケーキを作りました…!良かったら食べて下さいっ!」
「嬉しいよ。大切に頂くよ。」
五良は微笑む。

図書室への移動距離、わずか数メートルの間に五良は幾多の人々と接触する。いつも五良は微笑みを絶やさない。今日も笑顔を大安売りだ。
やっと、図書室に到着。カラリ、とドアを開ける。誰もいない。一番乗りのようだ。はあ、と小さくため息を落としてからドアを閉めようと…
ギュムムッ…

「!?」
「痛たた…。」
五良の閉めたドアと壁の間に、女の子がジャストフィットしている。五良は慌ててドアを開く。

「も…申し訳ない!大丈夫ですか?」
「ふ、ふぁ〜い。私も急いで入ったから。」

女の子は顔を上げる。五良と至近距離で瞳が合う。
「あっ…も、もしかして図書委員さんですか?この本、返却期限過ぎてしまってるんですけど…すいません、返却します!」
ドクンッ!心臓が跳ねる。お互い瞳が離せない。
「君の名は…。」
古い台詞を五良は吐く…。

「!あっの…、若佐です。ではお返しします。すいません!」

そう言って女の子は、図書室を飛び出して行った。
後は、本を持って立ち尽くす五良が一人。
体温が上がるのを感じながら、『若佐』と名乗った女の子から手渡された本―「天平文化の歴史」の背表紙をめくり、貸出カードを見る。五良は最後に書かれた名前を読み上げる…。

「わかさ、…な、つ。」

動悸は治まらない。衝撃的なあの一言…。五良は呟く…。
「僕の事知らない…のか」
自意識過剰な発言だが、本当にこの学校で五良を知らない者は皆無だ。その五良を、図書委員と勘違いする少女がいた…。
一方、こちらも動悸が治まらない奈都。走りながら叫ぶ。

「どうしよう〜。あの人、私が貸出本の返却延滞常習犯って分かったかも!ヤッバい!」

……こちらは違う動悸だったようだ。
とにもかくにも。二人は出会ってしまった…。…革命間近である。
その夜―。

五良は自室のベッドで寝転びながら、貸出カードを眺めていた。
〈若佐奈都…。新入生かな?僕の事、図書委員って言ってたしな…〉…ドアに挟まっても、必死に本を返そうとする姿がなんだか可愛かった…。思い出すとふっと笑ってしまう。

落ち着いた和風の部屋を見渡すと、数々のトロフィーや表彰状が飾られている。

「殺風景な、部屋…。」
自分にいくら名誉ある経歴がついても、心は満たされない。むしろ周りから称賛される度に、孤独感が深まっていく。最近は何も感じない。笑い合う友達なんて、いない。
ブブブ…。携帯が震える。

「?誰だ…。」

メール着信1件あり
From
白鳥
佳蓮
本文―五良ちゃん、別れたのにメールしてごめんね。あれから色々悩んだの。やっぱり…、好きなの。五良ちゃんがすごい人過ぎて周りから妬まれたり、彼女でいる為に努力しなくちゃ…って。あの時はそれに疲れて私から逃げ出してしまったけれど…。もう一度やり直したい。五良ちゃんは、初めての人だから…忘れ―

プチンと画面を待ち受けに戻した。ポンッと携帯をベッドに落とす。

「お前が浮気したんだろうが…」

その後――五良は生徒会(会長である)や、部の掛け持ちや、研究授業の打ち合わせや、なんやらかんやらで図書室での出来事は忘れていた。
数日経った放課後、奈都は緑里達と、ミスドでお茶をしていた。

「こないださ〜彼氏が生でエッチしたいって言い出してさあ。」
ポンデ・リングをハムッとかぶりながら千遥が、
「緑里の彼氏って大学生よね。で?許したの?」
「ん・ん〜とね。なんか…エッチしてたらあっちのペースになっちゃって。結局、生で」
「うっそ!ヤバいじゃん。子どもできたらどうすんのよ〜。」
と、美希。
「でも、その日は安全日だったから。え、みんな生でしない?気持ちいいでしょ?」
「まあ〜ね…。ゴムつけてるよりは気持ちいいよね。生の時は絶対中で出さないけど」
「気持ちいいって…?」
奈都が反応する。
3人は珍しく興味を示す奈都を見て、にやりと顔を見合わす。
「さすが、本能で生きる女・奈都ね…。気持ちいい事には興味あるんだ。」
「や、浜ちゃんが合体する時は暗闇だからよくわかんないんだけどホントに気持ちいいのかなあって…。」
「も〜アンタは釣りバカから離れなさいよぉ。気持ちいいわよ〜。何かね、イっちゃったら宇宙の真ん中に投げだされた感じよ。」
コンパ主任の千遥がうっとりする。


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