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which......?
【幼馴染 官能小説】

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which......?-2

「…………ねぇ、したくないの?」
僕の両肩を白くてか細いで腕で押さえつけたまま、夏希は言葉を続ける。
「しようよ、いつもみたいに。えっち、しよ?」
「……いつも、…………みたいに?」
僕は、夏希とはまだ――――――
その瞬間。
僕は一つの結論に辿り着いた。
――――もっと早く気付くべきだった、大事な答えに。
「……お前、千夏か?」
「………………………………………え、なんで」
しばし止まる時間、たっぷり5秒。
左右に小刻みに震える瞳の動きが、その少女の動揺を物語っていた。
僕の両肩を押さえていた力が一段と強くなる。
「なんで、……わかったんですか?ちゃんと口調までマネしてたのに。……ううん、
そんなコト、もうどうでもいいですよね」
今までの軽いノリとは打って変わった千夏らしい落ち着いた話し言葉で、
彼女がそう最後まで言い終えたか否かの刹那、千夏の柔らかな唇が僕の唇を強く包み
込んだ。
「――――っ!」
ヌュルリ――
千夏の舌が僕の口の中へと入り、餌を強請るひな鳥のように僕の舌や歯茎を求めて動
き回る。
このままじゃやばい――
突然襲いかかったそのあまりの心地良さに一瞬理性がぶっ飛びそうになるのを寸での
ところでなんとか堪え、
僕は肩を押さえつけていた両手を振り払うと、目をキツく閉じながらキスを続ける千
夏の顔をゆっくりと引き離した。
「……っはっ、ちょっと、待って。……なんでこんな――」
「【こんなこと】なんかじゃないです!!」
千夏は声を荒げながら言葉を続ける。
「【こんなこと】なんて言わないでください!!なんで、私じゃダメなんですか!?

 お姉ちゃんみたいに明るくないから!?……私だって……私だって、シン君のこと
大好きなのに!!
 顔だって、ほら、一緒でしょ!?胸なんか私の方がお姉ちゃんより大っきいんです
よ!?
 お料理だって出来ますし、掃除だってします!シン君が望むならどんなことだって
出来ます!!
 シン君、幼稚園の頃言ってくれてたじゃないですか……。『大きくなったら夏希と
千夏と二人と結婚する』って。
 ……それなのに、…………なんで……なんでお姉ちゃんばっかり」
瞳に涙を浮かべながら、それでも懸命に涙を堪えようとしているのだろう――――
チェック柄の涼しげなスカートを千切れそうなくらいにギュッと握りしめたまま、千
夏は肩を震わせながら言葉を放つ。
そこで、僕は初めてその【スカート】の意味に思い当たった。
スカート嫌いの夏希は、夏でも冬でもパンツスタイルを貫き通している。
夏希と仲のいい者なら誰でも知ってる、当たり前のコト。
それを千夏が知らないはずがないのだ。
ならば。
――――気付いて欲しかったんじゃないだろうか、本当は。
意識的にか無意識だったのかは僕にはわからないし、そんなことは今はどっちだって
いい。
問題なのは、千夏は夏希に成り代わりながらも心のどこかで【千夏】として自分を抱
いて欲しいと思っていた、その一点だけ。
だから千夏は、夏希の口調を真似たり、伸ばしていた髪も姉に似せるために短く切っ
たその上で、
スカートをその身につけ、僕を押し倒した時だってあんなに壊れそうな顔をしていた
んだろう――
……それだけで充分だった。
もはや風前の灯だった僕の理性に、哀しくて、でもどこか優しい風がそっと吹き付け
る。


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