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冷たい情愛
【女性向け 官能小説】

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冷たい情愛7 side 芳-6

嚥下することすら許さない。
行き場を失った唾液…もうどちらのものかも分からないほど混ざり合う。

彼女が苦しそうに顔を揺らす。
俺はその動きすらも許さない。彼女の頬に手を当て押さえつける。

貴方が…そんな不自由と従順に、体を濡らすことを知っているから。
こうやって男に食い尽くされて…涙を流し喜ぶ貴方を知っているから。


「ん…んぐ…」


苦しむ貴方は…あまりに綺麗で淫らになる。



俺はは彼女の口腔から舌を抜いた。
彼女は一気に息を吸い込み激しく咳き込む。

彼女の目は涙で潤んでおり…体はぐったりしていた。
涙で濡れた目…湯で濡れた体…その一番芯は、自らの液体でどうしようもないくらい濡れているのだ。
苦しみと不自由が生み出すその全ての濡れが、俺はどうしようもなく愛おしくなっていた。

少し楽にしてやらなければ…

俺はそう思い、シャワーを止め彼女を浴室の床にゆっくり寝かせた。
長く湯を浴び続けた彼女の体と床は、心地いい程度に温かかった。

俺は寝かせた彼女を上から見ていた。

愛おしいなどと…思ってはいけないと思った昨日の夜。
しかし…あまりにも素直に従順でいる貴方を…俺はそう思ってしまった。



彼女は落ち着いてきたのか、胸で大きく呼吸する。

油断していた…俺は目をそらそうとした。


「私の中には…きてくれないんですか?」


一瞬の遅れが…彼女にそんな言葉を吐かせてしまった。
一瞬の遅れが…俺に感情を隠す余裕を奪ってしまった。

貴方は…俺の体を欲しいと言うのか。


あの人を夢に見るほど想いっているのに…

あの人のように、貴方を攻めて攻めて…壊れる程に攻めた後…
心から貴方を愛し…

そんなあの人に…俺はなれるのだろうか。
貴方は分かっていない…

あの人と似た行為をする俺に…
あの人との愛の擬似を…見つけたいだけなんだろう?

貴方は分かろうとしていない。


「貴方は…私とのセックスは必要ではないでしょう?」


俺は言った。
貴方に残酷なそんな言葉を。

だからこそ…貴方より先に気付いた俺が…
貴方が知らぬ間に、過去も今も知ってしまった償いに…

せめてもの…錯覚の幸せを与えられたなら…


目が合って…貴方の悲しい言葉を聞いてしまった…
自分の感情が揺れてしまった…

そんな歯車のほんの少しの狂いから…
俺は、彼女に与えたいと願ってしまった…たとえ錯覚でもいいからと…。


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