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冷たい情愛
【女性向け 官能小説】

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冷たい情愛6 俯いた横顔-3

「すみません、ちょっと私も」
片山の返事を待たずに、私は走って部屋を飛び出した。


彼がいるはずの左とは反対…右へ走り電話に出た。




「はい、設楽です」

「私です」

「なんで電話なんて…」

「彼は貴方の事が、好きなんですね…」

前置きもなくそんな事を言われ私は驚いた。


彼とはおそらく片山の事だろう。
私も片山も仕事場でそんな私的感情を露出するほどの年齢ではない。
それなのに、彼は的確に物を言ってきたのだ。

しかし、遠藤さんはこんなことを言うために…
わざわざミーティングを抜け出し…
更には顔を合わせている私に電話してきたのだろうか。




「今夜は、私の部屋には来ないんですか…?」




私は鼓動が高まる。

彼は本当に…私が自分の部屋に来ることを望んでいるか…
私は返す言葉が見つからない。無言になってしまう。

「昨夜のような行為が嫌なら…しないと約束します」

彼は冷静に…丁寧にそう言った。



彼はあの人と同じ事を言った。
あの人も…強引なふりをして…本当は…
私の感情の行く先を先回りして、望む行為を与えてくれた…あの人と…



私は無言のまま携帯を耳に当て…逆方向に歩いていった。



その先には、同じく携帯を耳に当て、休憩スペースのソファーに浅く座り…
少し俯く彼の…綺麗で冷たい横顔があった。


私は暫く、距離を置きその顔に見入っていた。
一見いつもと変わらないけれど、そこには彼の心の中がほんの少しだけあるような気がした。


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