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やっぱすっきゃねん!
【スポーツ その他小説】

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ICHIZU…Last-18

「コーチ、今日はありがとうございました」

開口一番。佳代はお礼を言った。

「こっちこそ、付き合わせて悪かったな」

藤野は笑顔で返す。そして、真顔になると、

「なあ佳代。さっきの件だが、考えてくれんか…」

「でも……」

「なに、すぐに結論を出さなくていいから。じっくり考えてな」

そう言って藤野は佳代の自宅の方を見て、

「どうやらオレだけじゃないらしいな」

藤野はアゴをしゃくってその方向を示した。
佳代はその方向を見て驚いた。自宅の玄関を、大勢の制服姿が囲んでいるのだ。

「な、なんです?…あれ」

思わず言葉が漏れた。
藤野はニッコリ笑いながら、

「オマエの〈応援団〉だろ。さ、降りろ」

佳代は藤野のクルマから降ろされ、その場にとり残された。
仕方なく重い足どりで家へと向かう。

徐々に黒山が近づいてくる。その距離20メートル。

(う、う……何か、いやだな…)

後ずさりしたい気持ちの佳代。だが、そこには、昨日までの絶望感は無い。

距離は10メートルになった。
どうやら対応にでた母親の加奈と、何やら話しているらしい。

そして距離が5メートルになった時、加奈が気づいて声を掛けた。
途端に黒山の視線が、一斉に佳代に向けられ、その一人々が思った言葉を彼女に浴びせた。

「ち、ちょ、ちょっと待って!」

佳代は彼等の間をすり抜けながら、加奈のとなりに立った。
そこには直也や山下、橋本の他、信也に山崎、羽生が顔を揃えていた。

「キャプテンに山崎さん、羽生さん。大丈夫なんですか?」

佳代の問いに信也は答える。

「肩の裏、肩板の炎症だ。あと2週間もすれば、練習に戻れるよ」

山崎は薬指の亀裂骨折、羽生は鎖骨を骨折で、ともに2ヶ月くらいで治るそうだ。

信也が佳代に言った。

「澤田。今日はオマエに考えを改めてもらおうと直也の呼びかけで来たんだ」

そう言って信也は直也の顔を見た。直也は顔を赤らめて視線を逸らしてる。

信也は続けた。


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