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くさいジャージとインモラル
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くさいジャージとインモラル-4

「あの、澤田さんは…」
「なんちゃって」
え?いまどき?なんちゃって?
「びっくりした?斎藤くん。僕はこんな感じで女の人をオトスんだよ」
「オトスんだよって…わたしおちてないですよ?」
「でも一瞬かっこいいって思ったでしょ?あ、ていうか、いつも僕のこと常にかっこいいって思ってるか…」
「思ってないです。一瞬も常にも思ってないです」
「またまたー、照れちゃって」
どついたろか、こいつ。
「あ、斎藤くん、コーラおかわり!」
澤田が空になったコップを宙に持ち上げた。
「もう飲んだんですか?ホント糖尿になりますよ」
そう言いながら、澤田のコップを受けとりに行く。
さっき不覚にもドキリとしてしまったことは墓場まで持っていく秘密にしよう。
澤田さんも男の人なんだと、意識させられたことも。
でも本当に冗談だったんだろうか。
あんなに真面目な顔は初めてみる表情だった。
正直、少しかっこいいと思ったのだ。
「コーラ、多目に入れてね。氷は3つ。3つ以上入れたらダメだよ!?」
「…わかってますよ…」
「3つ以下でもダメだよ!?」
「…はいはい…」
「『はい』は一回でしょ」
「…はい」
澤田の得意気な顔がむかつく。やっぱり全然かっこよくないや…。空のコップがやけに重く感じた。さっきのことは忘れよう…。


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