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アルベルト
【戦争 その他小説】

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アルベルト-1

ブランデンブルグ門から官庁街にいたるまでソ連軍の砲弾が瓦礫にしていく。
なんとか脱出できた私は、ベルリン郊外の飛行場から飛行機に乗り込み破壊された祖国の首都を眺めていた。
かつて、建築家の私を軍需大臣にまでしてくれた総統閣下。
彼はすべてを諦められたのか、全公共施設の破壊を命じられた。

思えば今から数年前、この荘厳な町並みを造った時の要望は『優美な廃墟になる街』であった。
依頼主のその希望は守られたのだろう。

アルベルト・シュペーア

私は、この数年間総統閣下の側にいられて幸せでした。
ただ、唯一、謝らないといけないことがあります。総統閣下。私は、全公共施設の破壊の命令を無視しました。軍需大臣として、祖国を中世にするわけにはいきません。総統閣下申し訳ありません。
私は、ベルリンを発ちますが貴方への忠誠心は今でも健在です。

もう、お会いすることはないと思いますが、この地獄のベルリンで最期にお会いできて幸せです。
あとは、ゲッペルスがやってくれると思います。

ハイル・ヒトラー!!

総統閣下、どうぞお元気で…






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