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紅館小話
【ファンタジー 官能小説】

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紅館小話〜怒〜-1

紅館の午後、いつもなら私は昼食を食べ終わってまた仕事に戻っている頃だ。
しかし今の私はアルネさんに頼んで午後は休みを貰い、自分の部屋に居る。
『ふぅ………』
何気なく吐いた溜息に、隣りに居る少女が怯えたようにビクリと震えた。
『ベットに乗りな、ゼロ。』
その口調よりも強く私の目が命令していた。
私の雰囲気に、ゼロはおとなしく従う。 メイド服のまま、これから始まることに不安げな表情だ。


掻い摘まんで今の状況を説明すると、昨夜にゼロが浮気をした。
ゼロの方から誘ってしっかりとベットイン、ただその時点で私に発見されて未遂となったのだが。
『覚悟は出来ているんでしょうね?』
取っ捕まえた時に言った台詞だった。 その時のゼロの表情と頬に流れていた汗の多さを見るに、私は大分迫力のある顔だったようだ。

ゼロの浮気は今に始まったことでは無い。
と言っても、軽いものばかりで誰かと寝ることは無い。 今回もベットインはしたが、単に一緒に眠る、或いは軽く身体を触る程度のことしかしなかっただろう。 相手の子はレズではない普通の子だし。

では何故私がここまで怒っているかと言うと、今後ゼロに浮気をさせないためである。 勿論、恋人が浮気をすれば誰だって二度と浮気をさせないように怒る。
だがゼロの浮気とは、浮気相手が可愛いという点もあるが何よりも浮気を怒る私を楽しみにしている点が大きい。
最近、Sに目覚めてきてエッチではいつも私が主導権を握っているためかゼロは対極のMに目覚めてきた。
浮気を咎める私のお仕置すらゼロには楽しみなのだ。
だからゼロにとって浮気はその事とあととで二度美味しいものなわけだ。
そんなゼロ相手に、今のように怒ってお仕置というお決まりのコースは逆効果なのでは? と思うかもしれない。
だが、今回のお仕置は違う。
いつもなら二、三時間お仕置して『ごめんなさい、スーちゃん、もうしないよ〜』と言わせれば止めていたが、今日はそんな甘いことはしない。 徹底殲滅だ。 心の底から浮気はしないと誓うまでやめない。

だからわざわざ昨夜ゼロを捕まえてから無言の圧力をかけたまま、今日の午後まで待っていたのだ。
昨夜から朝までお仕置するよりも、午後に休みをとった方がたっぷりと時間がある。 そう、明日の朝までたっぷりとこのいたずらな子猫を調教出来るわけだ………


『さてと………』
ベットに座っているゼロにそっと近寄り、首筋を指で撫でる。
ゼロの方も、これがいつものお仕置とは違うことが感じられるのか、指が触れた瞬間に震えた。 明らかに怯えている。
『す、スーちゃん………ゼロゼロ、もう』
『黙りなさい。』
ビクリと震えてゼロが黙る。
メイド服を一枚づつ、丁寧に脱がせていく。 決して乱暴にはせずにあくまで丁寧に。
脱がせた後、下着一枚になったゼロをしばし見下ろした後でクローゼットの引き出しから紐を取り出した。
『後ろ向いて、手は後ろで組みなさい。』
言われた通りに私に背を向けたゼロの腕を私は慣れた手つきで縛り上げる。 まぁ、慣れたと言ってもゼロを縛るのは初めてで、紅館に来る前の娼館で慣れたのだ。
(まさかこんな風に役に立つとはね。)
後ろ手に縛られたゼロの背を押して尻を高く上げさせ、最後のショーツを脱がせた。
『どんな気分かしら? ゼロ。』
私の一挙一動を不安げに見つめていたゼロに問い掛けた。
『スーちゃん、ごめんなさい! ゼロゼロ、もう浮気なんてしないよぅ』
パシーーン!
『ひっ……!』
部屋に渇いた音が響き、ゼロのお尻には赤い手形が出来た。


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