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やっぱすっきゃねん!
【スポーツ その他小説】

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ICHIZU…G-5

ー順々決勝当日ー

「姉ちゃん、姉ちゃんってば!」

リビングの床に眠る佳代。その姉の両肩を掴み、揺らして起こそうとする修。
朝、暑さに目が覚めた佳代は朝食を摂るとエアコンの効いたリビングで2度寝の最中だった。

「しっかたねえなぁ〜っ」

目を覚まそうとしない佳代に、ため息をつく修。

「あっ!そうだ」

修はキッチンに行くと、水の入ったコップとゾウキンを持って戻って来た。

「くっくっく…」

修はいたずら小僧よろしく、コップの水を勢い良く佳代の顔にかけた。

「ぷっぷっ、うわぁ!」

いきなりの事に、手足をバタつかせてもがく佳代。その姿に、修は腹をかかえて笑った。

ようやく目を覚ました佳代。半身を起こして周りを見回してから、

「今……何時?」

「10時だよ!いい加減起きないと試合に遅れるよ」

「…アンタが起こしたの?修」

「姉ちゃん、自分じゃ起きないじゃないか」

と、言ったが早いか、佳代の腕が修の首に巻き付いた。

「今日は第4試合だから1時に集合なんだよ!アンタが起こさなけりゃ私はあと1時間寝られたんだ」

佳代は体重を掛けて、さらに締め上げる。

「…そんなの…知らない…」

「ごめんなさいは?」

佳代はさらに締める。

「……」

耐える修。佳代は修に身体を密着させて締める。

「ごめんなさいは?」

「…ご…ごめん…なさい…」

腕を解いて佳代は立ち上がりながら、

「さっさと言えば良いのに。まだまだ力じゃ負けないからね」

そう言って佳代はバス・ルームに消えた。
その姿を修は喉を押さえて睨みながら、恨みがましく言った。

「くっそーっ!今度は爆竹で起こしてやる!」


午後4時。佳代達、青葉中学のメンバーは、球場裏にテントを張って憂鬱な時間を過していた。

「ねぇ、達也…」

「何だ?」

佳代はとなりに居る山下に訊いた。

「この雨さぁ、止むのかね?」

「知るかよ!オレが」

山下は投げやりに答える。


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