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[可愛い彼]
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「イジワルな彼〜本当の気持ち〜」-2

《**テレビ、会議室》

「いや〜すみません、こんな時間に」
「いえ、お気遣いなく」
「実は、ドラマの件なんですけど…」
「降板ですか!?」思わず、立ち上がってしまう
「いやいや!それはないです!」
プロデューサーが笑っている
「‥実は、主演の女の子が、キスシーンをするなら嶋田さんとじゃなきゃしないと駄々をこね始めまして…」
「…キスシーン、ですか」
「どうやら、嶋田さんの潜在写真を見たらしくてね、うちも急な申し入れで困ってるんですよ。」
“確か、若手女優で一番目立ってる、黒川華だよね”
「メリットとしてはセリフも増えますし、必然的に出番も増えます。世間にいいアピールになるかと思いまして。いかがですか?」
“嶋田さんが他の人とキスするなんて絶対嫌‥!でもー”
「…急な事ですので、折り返しこちらから連絡を入れるという形でも宜しいですか?」
「えぇ!もちろん!このドラマは創立50周年記念ドラマで我が社も力が入ってますので、良いお返事を頂けましたら幸いです」
会議室を出ると、ため息をもらす
“キスシーンかぁ…嫌だけど、確かに【嶋田ヒロ】を世間に出すいいアピールになる…
取りあえず、社長に報告しなきゃ”

[キスシーン?うーん。でも、出番が増えるのよね?話題になってくれれば、事務所も安泰ね!]
[…そうですよね、オメデタイですよね!ハイ、返事しておきます!失礼します]
ふぅ‥とまた、ため息がもれる
“きっと、黒川華は嶋田さんの事好きなんだよね。
…あんな可愛い子に言い寄られたら…ううん!大丈夫!私にはコレがあるもん…”
穂香はキスマークを触り、深く目を閉じたーー


《翌日》
“よしっ!”
ヒロが事務所前で気合いを入れていた
“ヤベー!緊張する…案外俺のがバレやすいかもしんねぇな”
意を決し、ドアを開ける
「‥おはよっす」
事務所の皆に聞こえる様挨拶をし、穂香の姿を目の端で確認する
“あーあ!下ばかり見て。俺の事見ない様にしてんな。逆に目立つつーの!”
半ば呆れつつ、素直な穂香を愛しく思ってしまう自分がいる
するとー
「ヒロ!おめでとう!!」
社長が後ろから抱きついてきた
「はっ?何すか?朝から」
「んもー照れちゃって!穂香から聞いたわよ!」

ビクッ!
穂香の肩が震えた
“まさか‥”
言い訳をしようと振り向くと
「出番が増えたの事!!
“で‥出番?”
「あら、ヤダ!本当に知らないの?先方さんがアンタの事気に入ってくれてね、昨日、急遽出番もセリフも増えたのよ!」
「マジっすか!」
ヒロの嬉しそうな声が事務所に広がる
「良かったわね!やっぱアタシの目に狂いは無かったわ!
まぁキスシーンは致し方ナイわね!!」「キスシーン!?」“どーゆー事だ?”「穂香ったら‥ちゃんとヒロの了解取ってると思ったのに!ちょっと〜穂香いらっしゃい!!」
社長に呼ばれ、今にも泣きそうな顔をした穂香が来る
「キスシーンの事、ヒロに確認取らなかったの?」
「はい‥社長がOKを出したんで、いいのかと思いまして‥」穂香はヒロの顔をチラッと見ると、まるで自分に言い聞かせる様に話続ける
「……それに、嶋田さんがこんないい話、断る訳ないって思ったんです!嶋田さんがどれだけ演技の仕事をしたかったか、たった数ヶ月ですけど、分かっているつもりです!」
穂香の横顔は色んな葛藤と戦っている表情だった
“本当は嫌なハズだ‥でも俺の為に”
ヒロは穂香の気持ちが痛い程分かった


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