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甘辛ニーズ
【コメディ その他小説】

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甘辛ゾーン-14



 雪柳 透。

 変な奴で、本当に変な奴だけど、やっぱり変な奴。

 それでも、なぜか僕の親友。


 凪が子猫を拾ってくる前日、透が電話をかけてきた。

 会話は省き普通に説明すると

 透が第一発見者だった。

 偶然散歩していたところに、小さな段ボールを手に持つ柄の悪そうな男性がいて
 様子を見ていると、適当な道端に段ボールを置いてそそくさと行ってしまった。

 不審に思い、段ボールの中を覗いてみたら黒い子猫がいた。

 しかし透は見て見ぬフリをして家に帰った。

 当然僕は叱ってやった。


 そして昨日の、凪に電話してみるものの一方的に終わった後にかかってきた透からの電話。


 また散歩していた時、あの柄の悪い男が目に映り、暇だったからストーカーをしてみたらしい。

 だけど何事もなく男は家(一軒家)に入っていったので、帰ろうと思った時に
 すぐに家から男が段ボールを持って出てきた。

 男に問いただしたところ、「手に負えきれなくなったから捨てているんだ」と。

 透は怠け者だけど、時々正義感が強いからそうしてしまったんだと思う。


 そしてなんだかんだがあったらしく、帰ってきたと。

 なんだかんだの部分は詳しく聞かされていない。


 今更だけど、凪には言わない方がいいのだろうか。

 …いや、言わない方がいいかもしれない。

 脆すぎるから───。







「ふう…ごちそうさまでした」「…しかし元気になるのが早いな…」
「…嵐の中で輝かないといけないのが、宿命ですからね」
「え?」
「何でもないです。ささ、野球拳やりましょう!野球拳!」
「はー…はあ!?な、なんで野球拳!?」
「とりあえず勝っても負けても引き分けても私は全部脱ぎますから!はいやーきゅうー」
「な、なんでだよ!待て待て!」


 それでも、自慰という行為を止めるワケにはいかない気がするんです。
 みなさんのためにも、愛を取り戻さないと…。

 …ユーはショックじゃないですよ?



  〜fin〜


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