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不良少年の日々
【コメディ 恋愛小説】

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第四話 熱き想いの向くがまま-1

清明高校の敷地内にある巨大な体育館。名を篠山体育館(しのやまたいいくかん)と言う。
この建物は清明高校の生徒達が生き生きとスポーツに励む事が出来るようにと建てられたものだ。

体育館の中は今、とてつもない熱気で満たされている。なぜなら、今からここで清明高校の球技大会『宝鈴祭』で最も注目を集める球技、バレーボールが行われるからである。

『宝鈴祭』では篠山体育館の広大さを利用して、高1から高3まで全学年が一斉にバレーを開始する。
その体育館の出入り口に一番近いコートが高1である。
皆気合の入った面持ちでコートに入って行く。

「それでは一回戦を行います!各コートで準備をしてください!」

アナウンスが流れ、体育館の中が騒がしくなる。

高1の一回戦は強いチームと弱いチームの差が顕著に現れて、すぐに片が付いてしまった。
A、C、E、H組が大した盛り上がりも無く勝ち上がった。

そして準決勝。
C組 VS H組
A組 VS E組
という組み合わせになった。

「俺達C組とE組が当たるのは決勝戦だな。」
「決着をつけるにはもってこいね。」
和真と叶花の二人は話しあっていた。

「一回戦は皆、調子が掴めなかったみたいだけど、後半動きは良かったし、これならなんとかなりそうだな。」「ええ。それじゃあスタメンを発表するわ。武藤君、串波さん、三輪君、時羽さん、吉元君、そしてセッターに私、叶花。この6人がスタメンね。」

スタメンに選ばれた吉元 大翔(よしもと だいき)は運動部に所属していた訳では無いが、身長が高く一回戦でも途中出場にもかかわらずブロックを6本決めていた。


試合が始まった。
C組からのサーブは和真が凄まじい威力のジャンプサーブを打ち込んだ。
さらに、相手のスパイクを吉元がガンガン弾き落とし、叶花が的確なトスを上げ、串波が完璧なスパイクを決めて準決勝も難なく突破した。
?―Eはあっさりと?―Aを下し決勝戦へと駒を進めた。


そして決勝戦・・・。

「よくそのメンバーで勝ち上がってこれたものだねぇ。まぁまぐれ勝ちもここまでさ。何故なら決勝戦の相手が僕達?―Eだからね。」
E組の学級長王林寺 成彦(おうりんじ なるひこ)がC組のメンバーを挑発してきた。
王林寺は名家の御曹司で頭脳明晰、運動神経抜群な完璧超人だ。それを鼻に掛ける横柄な態度がみんなに嫌われている理由。

この挑発に和真が応えた。
「いちいち挑発なんかしないで俺らが恐いなら恐いって言えよ。」
挑発には挑発で返す。

「その程度の挑発に乗る僕じゃないが、君達は完膚無きまでに叩き潰してあげようじゃないか。」
王林寺は捨て台詞を残して去って行った。そして・・・。


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