投稿小説が全て無料で読める書けるPiPi's World

僕らの日々は。
【コメディ その他小説】

僕らの日々は。の最初へ 僕らの日々は。 9 僕らの日々は。 11 僕らの日々は。の最後へ

僕らの日々は。〜ある父の日に〜-1

ある日曜日の朝。

篠宮 一葉(小4)は家でゴロゴロしていました。

その横で一葉父もゴロゴロしていました。

ついでに弟の陸斗君(小2)もその横でゴロゴロしていました。

「……あなたたち、ホントに親子よねぇ……」

一葉母が呆れて言いました。
「ほら一葉、陸斗。天気いいんだから外で遊んで来なさい!」

「やだー」
「やだー」
「もうちょっと『日曜日の父さんごっこ』するー」
「するのー」

一葉母は溜息をついて言いました。

「まったく。そんな遊びばっかりしてるとダメ人間になっちゃうわよ?」
「それはもっとやだー」
「もっとやだー」

「ちょっと待て母さん。それって暗に俺がダメ人間って事か…?」

一葉父が何か言っていましたが、一葉母は華麗にスルーしました。

「外で遊んでくるー」
「くるー」
「いってらっしゃい。車には気をつけなさいよー」

二人は外に飛び出して行きました。


「……ダメ人間って……」
「ほら、あなたもいじけてるんじゃないの!」

 〜〜〜〜〜〜〜〜〜

外に出ると、近所の春風君(小4)に会いました。

「あ、一葉ちゃん、陸斗君、おはよう」
「おはよ。……あれ?春風ー。何持ってるのー?」
「持ってるのー?」

春風は手に小さな袋をぶら下げていました。

「コレ?ほら、今日は父の日でしょ?だからプレゼント用のネクタイ買ってきたんだ」

そう言って春風君は袋の中から、一体どこで見つけて来たのか中央に大きく
  『喧嘩上等』
……とプリントされたネクタイを取り出しました。
貰ったときの春風父の反応がとても楽しみです。

「………父の日?」

ちなみに一葉は存在自体をすっかり忘れていました。

「一葉ちゃんもお父さんにいつものお礼に何かあげるといいよ」

それじゃあ、と言って春風君は歩いて行きました。


「母さんっ!」
「あら何?もう帰って来たの?ずいぶん早いわね」
「今日はね、父の日なんだって!」
「へ?……あらホント。すっかり忘れてた。」

可哀相な男、一葉父。


僕らの日々は。の最初へ 僕らの日々は。 9 僕らの日々は。 11 僕らの日々は。の最後へ

名前変換フォーム

変換前の名前変換後の名前