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恋に恋するお年頃!?
【学園物 恋愛小説】

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恋に恋するお年頃!?A-1

「好き」
「好きになっちゃった☆」
「好きなんだけど…」
「好きになってもいい?」
「好きです」


恵が佐藤を好きだと自覚してから、1ヶ月が経った。

季節は夏へと変わり、もうすぐ学生の一大イベント"夏休み"。
……でも、その前にもう一つのイベント"期末テスト"も待っている。

今の恵には、どちらもたいしたことではないようだが……。


最近の恵の日課は、鏡の前での百面相。

自分の気持ちがわかったからには、佐藤に伝えたい。と思っている。
しかし相手は先生。
その事実が、恵の決心を鈍らせているのだった。



「せんせ〜?」

いつも通り、放課後の進路室。
恵の進路室通いは続いていた。

佐藤と2人でゆっくりと話せる大切な時間。

仲良くなればなる程、拒否された時のショックは大きいのだろうが、恵はこの時間を手放せずにいた。

「おぅ、お前ちゃんとやってきたか?」
佐藤に促され、恵が1枚のプリントを手渡す。

「はい、コレ。ちゃんとやってきたんだよ。エラい?」
恵が持っていたのは、授業中に配られたプリント。
本来なら、その時間内に出さなければいけないものだが、"数学の授業=読書時間"という恵の方程式は、相変わらず変わっていないらしい。

「『エラい?』じゃないだろ!?コレは授業中に出す人が偉いの!……って、そもそも、授業中に出すのは当たり前で、偉くも何ともないんだよ!」
佐藤のもっともな返事を聞いて、恵は頬を膨らませふてくされた振りをする。

「出さない人もいるんだから、放課後でも出すだけ偉いと思わない?」
「思いません!」
恵の抗議は、1秒で返されてしまった。

でも、こんなやり取りが今の恵には、大切な時間。

「それよりも、この間言ってたことはどうするんだ?一応、家にあった問題集は持ってきたけど……。」

佐藤の言葉に、恵の目が輝く。

実は、先日の放課後、こうして話しているときに"数検(数学検定)"の話になったのだ。
きっかけは恵のぼやきから……。


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