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刃に心
【コメディ 恋愛小説】

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刃に心
《第24話・忍者探偵忍足疾風の事件簿〜お調子者を殺したのは誰か?
次々と明らかになる友の暗い心。
まさか犯人はこの中にいるのか?
果たして疾風は友を疑えるのか?
『湯煙温泉彼方殺人、
尚、今回のタイトルは本編と一切関係ありません事件』》
-8

「ありがとうございます」
「欲しくなったらいつでも言えよ!いっぱいあるし、その…なんならアタシの隣に来たら、いくらでも…」
「疾風、運転中に立ち上がるのは危ないから、決してするでないぞ」

バチッと視線が交差した。
だが、狭い車内だったためか、それだけでお互いに視線を外した。

「眞燈瑠、何を読んでおるのだ?」

千夜子を無視して、楓は眞燈瑠に話しかける。

「ん?これッスか?」

眞燈瑠は読んでいた茶色のブックカバーが掛かった小説を掲げた。

「良かったら読むッスか?」

楓は差し出された小説を手に取り、パラパラとページを捲り始めた。
しかし、その顔がだんだんと赤く変色していく。
ページの中程まで来る頃には風呂上がりのように湯だっていた。

「な、な、な…何なのだコレはーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!」

車内に楓の絶叫が響き渡った。
その弾みで小説が地面に落ちる。

「あー!もう何するんッスか!」
「眞燈瑠!お、お前は、な、何というものを読んでおるのだッ!」
「何って…BL小説ッスよ」

BL小説。男同士であんなことやこんなことをしちゃう恋愛小説。
普通のでさえ慣れていない楓にとって、この世界はまさに未知との遭遇であった。

「ひ、卑猥な…し、しかも…お、おと…男同士で…」
「これ流行ってるんッスよ。知らないんッスか?」
「こ、このようなものが…流行っている…」
「そうッス!もしかしたら、疾×椎みたいなことになっちゃってるかもしれないッスよ!」

はっとした顔で楓は疾風を見た。

「いや…違うから」
「そうですよ」

いつの間に来たのか、眞燈瑠の隣には朧の姿があった。

「正確には、椎×疾です。疾風さんは攻めじゃなくて受けですもんね?」
「いやいや…攻めとか受けとかじゃなくて…」

疾風は思わず反論をしようとした。
しかし、眞燈瑠と朧は『疾風は攻めか、受けか?』の議論中で少しも耳を貸さない。

「疾風先輩は絶対に攻めッス!おぼ姉だって本気の先輩を知ってるじゃないッスか!」
「いえ、疾風さんは受けですよ。日常生活を見ていれば判ります。嫌々ながらも決して頼みを断らない精神は受け以外の何物でもありません」

疾風は逃げ出したい気持ちになった。
恥ずかしいの次元はとっくに越えている。もしかすると、これは新手のいじめではないのだろうか。

「攻めッス!」
「受けです」

議論は膠着状態を迎えたかのように見えた。

「んふふ…二人とも甘いよ」

しかし、此処で新たに希早紀が参戦。


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