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心の安定
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心の安定-1

私は藤代恵(フジシロメグミ)派遣スタッフとして働く22歳。製造業を中心に仕事をして3年目になる。新人の頃と比べれば経験を積んでどんな仕事もこなせるし、人間関係も軽く受けとめられるようになった。


そう、今は昔の苦痛を笑ってネタに出来るくらいに。

昔はどんなに頑張っても、どんなに物覚えが早く、努力して成績を上げても報われなかった私がなんでそうなったかと言うと・・・。

実はある人のおかげで私はキャリア組になれたからだ。もちろんそれだけではない。

そのある人の名前は斎藤俊純(サイトウトシズミ)今年3年目の営業担当者。
実は私は去年まで常勤で仕事をしていたのだが、正社員への就活準備の為今年からスポットへ変えた。
もちろんストレスによる体調不良も理由の一つになるのだか・・・。


斎藤さんとは立場は違うけど、同じ3年目と言う事で、いろいろ相談しやすかった。今までの営業と違って話もちゃんと聞いてくれて、嫌味や逃げの一手は使わない人だった。

初めて聞かずに私の実績を調べて認めてくれた人だった。

実は自分で言うと胡散臭いが私は仕事が出来る。
3年目とは言えいろんな職場でスキルを学び確実に習得して移動したり辞めてきた。長持ちしないタイプでもある。

悩みの一つでもあるが。続けたいのに続けられない。信頼出来る仲間は出来るけど仕事が出来るヤツから消えていく。スタッフだけでなく社員でもいえる事。

それに営業みたいな事も少しだけした事があったせいか、斎藤さんと話がはずむ。いつしか私の心の支えになっていった。

斎藤さんの為に仕事を頑張ろうなんて私らしくもない事を考えてやる気になる。

仕事で手一杯で恋愛なんかする余裕はなかった私が。

職場でいいよってくる若い社員。年配のおやじ。30代の既婚者の気紛れとか面倒臭い嫌なセクハラまで。


ましてキャリアがあればある程新人の面倒がみれるようになり教育担当もやるはめになる。会社に愛着があるせいか嫌ではないけど。

どうやってうまくかわしていい仕事をするかが私のポイントだった。仕事と恋愛は両立出来ない。男はいらない。ましてや邪魔だと思っていた私の中に、この人なら守ってくれるかも・・・なんて守られたい自覚が出てきてしまった。


とくに同じスタッフの年下の男から告白されて、断ってもしつこくされた時ますます面倒くさいと思ってしまった。


私は年上が好きだ。一緒にいて落ち着くし、なぜか甘えられる気がして・・・。 若いとエネルギーがありすぎてついていけない・・。私は廃れてると思う。

男がメインの職場ではそうなるのが一番だった。ましてプライドを傷つけるような事はしてはいけない。若い元気は必要だけど。


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