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僕らの日々は。
【コメディ その他小説】

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僕らの日々は。 〜一か八か。〜-2

――黙っていれば、普通のコなんだけど。

そんなことを思う。
彼女のこの性格は、昔から変わっていない。
本人曰く人とは違う見方で物を見るのがポリシーだそうで、いきなり突拍子も無い事を言い出したりする、なんてのは日常茶飯事である。

彼女の突発的な提案によって遠出することもしばしばあった。
一度なんか、小学生のときに一葉が『虹の根っこを探しに行くわよ!』と提案(半ば強制)し、山の中を延々半日も歩かされ、最終的に遭難しかけて帰り道が分からなくなった僕等を捜索隊が探しに来たこともあった。
…今思うと、あれは結構ギリギリだったんじゃないだろうか。

そんな昔の事を回想している内に、一葉の家の前まで来ていた。
「じゃ、また明日」
「えぇ」
いつもならここで別れ、後は僕も家路を辿る。

そう、いつもなら。
今日は、少しだけ違った。
僕が家の方に体を向けたとき、一葉が僕に声をかけてきたのだ。

「ねぇ、週末ヒマよね?」

断定ですか。

一応僕にだって週末の予定ぐらい…………………………………無かったりする。

「……ヒマだよ」
「ならいいわ。…じゃあね」

それだけ言うと、一葉は家の中に消えた。

「……………?」

一体何なのだろうか。結局肝心の用件を言っていない。
まぁ、一葉がいきなり何か提案しだすなんて今に始まった事ではないので気にしないが…。とにかく今までの経験上、一つだけ言える事がある。

「なんか嫌な予感……」

今日は木曜。週末まではあと少し。
僕はなんとなくスッキリしないまま家に着いた。



――二日後、土曜日。

「今日は用事があるの。先に帰っててちょうだい」

午前中で授業が終わる為、早い時間の下校となったのだが……。

「珍しいね?どうしたのさ?」
「ちょっとね。早い内に済ませたいの」
「ん。気をつけてね」
「分かってるわ。じゃあね」

言うなり、彼女はさっさと教室を出て行った。本当に急ぎの用らしい。

「……………?」

何となく気にはなったが、用事があるのをわざわざ止める理由もないので、特に考えずに帰宅した。


そして翌日、日曜日。


時刻は昼前。
僕が自室でのんびりしていたときだった。


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