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刃に心
【コメディ 恋愛小説】

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刃に心《第23話・勝利を手にした敗北者》-6

「裕と書いてヒロシと読むッ!」
「裕と書いてユウと読むッ!」
「「我ら、いつも仲良し間宮兄弟」」

日曜の朝のカッコいいお兄さん達よろしく、見知った双子はビシッとポーズを決めた。
呆気に取られる疾風の目には、ドッカーン、と二人の背後が爆発したように見えた。

「何か反応薄いね。折角、綿密な打ち合わせをしたのにね」
「そうだね。ここは『ぬぐぐ…現れたな、間宮兄弟!だが、今日が貴様らの命日となるのだ!』とか空気を読んでくれる受け答えをして欲しかったよね」

やれやれツマラナイ奴等だぜ、とでも言いたげな表情でポーズを崩す二人。

「なぁ、疾風よ。あやつらは操られておるのか?」
「…多分」

現在、行方不明中の彼方と違って、あまり普段と変わらない双子に正直なところ疾風も困惑気味なのだ。

「大丈夫だよ。僕らしっかり催眠術にかかってるから」
「そうだよ。明日になれば綺麗サッパリ忘れるから」

ますますもって胡散臭い。

「まあ…霞のことだからな。その辺はきっちりしてるんだろうけど」
「「そうそう。きっちりバッチリ催眠状態」」

かかっていないはずは無いのだが、どうしても100%信じきれない。

「では、口上も済んだことだから」
「そうだね。口上の終了=戦闘開始だからね」

ヒロシとユウはそう言うと、寸分違わぬ動作で肩に掛けた銃剣を構えた。
間髪入れずに引き金を絞る。

「くっ…」

疾風達も転がるようにして何とか弾幕を回避する。
二人は素早く左右から対称的な動きで疾風に襲いかかった。
銃口の上に取り付けられたナイフが迫る。
キィン。

「やらせないッスよ!」
「………」

銃剣の刃を眞燈瑠は手にしていたサブマシンガンで、刃梛枷は大振りのコンバットナイフで防いだ。

「疾風先輩、此処は自分達に任せるッス!」
「……行って…」

二人は背中越しに言った。

「…疾風」

楓が疾風の腕を引く。疾風は心苦しそうな顔を伏せ、踵を返して走り出した。

◇◆◇◆◇◆◇

「てぇあッ!」

眞燈瑠が小柄な身体を捻りながら、切迫した刃を弾いた。
ヒロシが後ろに飛び退くと、ユウも同じく下がった。

「うん。流石だね」
「うん。流石だよ」
「じゃあ、アレを使おうか」
「そうしようか」

コクリと頷き合うとヒロシとユウは瞬時にグロスフスを組み立てた。

「「必殺、間宮ビーム」」

弾丸の雨が降り注ぐ。いや、雨というよりも、嵐に近い。

「うっひゃあ〜」

眞燈瑠が奇声を上げて教室に転がり込んだ。
刃梛枷も素早くそれに続く。
ズガガガガガカとグロスフスが吼える。


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