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コタエ
【学園物 恋愛小説】

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コタエ-1

「海行って泳いで、それがなんなの?」
「海水はしょっぱいから嫌だ」
「休日は‘休むための日’って意味だから」
「めんどい」
みんなが順に答える。
確かに、どれも有り得そうだ。
私たちは今、週末の海水浴に真部を誘ったら、何と返事するかを賭けていた。
彼はクラス一の変わり者で、周りとつるむことをしない。
教室でも、いつもけだるそうにして机にうなだれている。
「竹内は?」
「んー…『日曜は、一日中寝てるから』?」
最後に私が答えると、仲間の一人が真部の席に向かった。
みんな、好奇心に満ちた瞳でそれを見守る。
「おまえ、今度の日曜、ひま?」
真部は、無言で首を傾げる。
「みんなで海行くんだけど、来るか?」
さぁ、誰が正解?
私は変な緊張に息を飲んだ。
「竹内は」
…ん?
一瞬、彼の言う意味がわからずにポカンとしてしまった。
「竹内も行くの」
「あ、うん」
隣にいた子に腕を叩かれ、慌てて頷く。
真部は『ふーん』と呟き、滅多に現れない微笑みを見せた。
「じゃあ、行く」
全員、大ハズレだ。


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