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伊藤美弥の悩み 〜受難〜
【学園物 官能小説】

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恋人達の悩み 3 〜後輩〜-17

 窓が開いているのだろうか。
 お日さまの匂いと暖かみを含んだ優しい風が、部屋の中に入って来る。
「ん……」
 それと一緒にさわさわと、頬を優しく撫でる掌。
 男の子らしく少し骨張っているけれど、優しくて、触れる度に切ない程に愛しい手。
「りゅう……」
 半分眠ったままで、美弥は呟いた。
「美弥……」
 降って来る、柔らかい感触。
 その感触で、美弥はぱちんと目を開ける。
「…………起こした?」
 自分を見つめているのは、一番失いたくない人。
「龍之介……」
 美弥は龍之介の両頬を手で挟み、引き寄せてキスした。
「……傍にいて……」
 首にすがりつき、美弥は囁く。
「傍にいる」
 龍之介は、美弥を抱き締めた。
「一生傍にいて……傷付けた事を、償いたい」
「りゅう……」
 甘さを含んだ声が、全てを蕩かす。
 龍之介は美弥の目を見つめ……唇を合わせた。
 優しく、甘く、柔らかく……そして、愛しい。
「ん……」
 しばらくキスを続けてから、龍之介は唇を離す。
「りゅう……」
 見つめる瞳が、潤んでいた。
 実に色っぽい。
「美弥……」
 再びキスをすると、龍之介は僅かに体を離す。
「……初めての時みたい」
 くすり、と美弥が笑った。
「あの時も、こんなだった気がする」
「……そうだったっけ?」
 龍之介はすっとぼける。
 嘘だった。
 あの時の美弥の事を、龍之介は今でも鮮明に覚えている。
 熱く甘く鳴く美弥の艶姿を。
 むやみに大きな逸物のせいで、苦痛に歪む顔を。
 軽く舌を這わせるだけでビクリと反応し、蜜汁を溢れさせる体を……。
 どうしようもない程切なくなり、龍之介は美弥を抱き締めた。
「り、龍之介?」
「……愛してる」
「!」
 びく!と美弥が震えた。
「……私も」
 抱き締められていて体の自由がきかない美弥は、龍之介の耳元に顔を寄せて囁く。
「私も愛してる……だから、龍之介……」
 美弥は唇で龍之介の耳たぶをはぷっ、と噛んだ。
「……もっと信用して欲しいよ」
「うん」
 龍之介は、即座に頷く。
 いくら思考が停止していたとはいえ……よりにもよって、美弥を疑ってしまうなんて。
「……って……」
 耳たぶを噛んだ口が、つぃっと首に滑って来た。
「み、美弥さぁん?」
 裏返った声を出す龍之介へ、美弥は囁く。
「仲直りと再出発の印に……えっちしたい」
 路子は、こうなりそうだと予測していたのだろうか。
 声は裏返ったが頭の片隅で、龍之介は奇妙に冷静な思考をしている。
「今日は断る権利、龍之介にはないからね?」
「……さいですね」
 あれ程手ひどく傷付けられながらも赦してくれた美弥が、自分を求めているのだ。
「路子さんもいないし……じゃあ……ちょっと待ってて」
 龍之介は美弥から離れ、あの時とほぼ同じ事をした。
 保健室のドアの外には、『不在』と書かれたプレートを出して鍵をかける。
 窓を閉め、カーテンを閉めると、タオルとティッシュ箱を掠めて戻って来た。
 ベッドの上に座った美弥の横に来ると、ポケットから財布を取り出す。
 中には、ぱっと見には分からない場所にゴムが何個か隠してあった。
 そのうちの一つを取り出し、龍之介は枕元に置く。
 だいたいの準備が終わると、龍之介は美弥を優しく抱き締めた。
 抱き締める度、その骨組みの華奢さに龍之介は驚かされる。
 重ねる唇の、信じられない甘さにも。
「ん……」
 軽いキスの後、龍之介の唇が首へ落とされた。
 指の腹で耳を揉みながら、確かめるようにゆっくりと。
 焦らすようなその動きが、キスで興奮した体には少しもどかしい。
「ん、ん……」
 耳や首へ何度も指と舌とが這わされ、美弥の性感は焦らされながらも確実に高まってゆく。
「あぅっ……?」
 不意に体が軽くなり、美弥は変な声を出してしまった。
 背中に這った手が制服の上からブラジャーのホックを外し、余った片手が裾から制服の中へ這い込んで来たのである。
「ん……!」
 乳房へ直に触れてくる大きな手に、美弥は声を漏らした。
「あ、ん、ふぁ……!」
 優しく乳首をなぞられ、美弥は体をよじる。
 すぐに硬く尖った乳首を、龍之介は力を込めずにつまんだ。
「……!」
 びく、と美弥の体が反応する。
「ん、ん……!」
 深い口付けを交わしながら濡らしてしまわないように手早くショーツを脱がせた後、龍之介は乳房をゆっくりと揉みほぐした。
 それだけで美弥は股間を熱く火照らせ、膝をもじもじと擦り合わせる。
 だがこれだけではまだ、濡れ方が足りない。
 龍之介は制服を全て脱がせ、美弥の腰の下へタオルを敷き、体を寝かせた。


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