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父子〜乾盃〜
【エッセイ/詩 その他小説】

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父子〜乾盃〜-1

父さん
記憶の中のあんたは無慈悲な面影
物心ついた頃から
上目遣いに怯えていた


大きな手伸ばして
僕を抱き上げる
目が合えば
どこかで腹の探り合い


独りで呑む酒 悲しい酒
あんたのようにはなりたくない


父さん
鏡に映る俺はあんたに似ている
卑怯者、恋に遊んで
臆病者、愛に倦んで


落ちぶれた背中に
明日の行く末を
母さんを泣かせた
夜の繰り返し


皆で呑む酒 楽しい酒
この血の中にはあんたがいる


父さん
あんたが嫌いだった 無口で不器用
子供を抱いた今なら
何だかわかる 言葉もない

胸に咲く小さな
愛を守りたい
これからの光に
明日になるように


乾盃 初めて向き合う酒
思い出話に明け暮れよう


束縛のない自由は
無味乾燥で不自由
あんたとは違う俺になりたくて
誰かを傷つけた

幸せになる道理を
意地と見栄で逆らい
無責任ぶって素直になれなくて
誰かのせいにした


軽蔑すべき弱さを
俺の心に見つけて
独りでは何もひとつ出来なくて
あんたを思い出す

温かな拠所と
愛を求めて見つけた
思うほど俺は強くなれなくて
あんたを思い出す


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