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覚めない夢を。
【エッセイ/詩 恋愛小説】

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覚めない夢を。-1

薄い紙で切れた指。
赤く滲むライン。

こんなにも弱っちい
無力な刄ですら、
あたしは簡単に傷つく。


「会いたいよ。」


声に出さずに、呟いた。
見上げた夜空は、
どんよりと曇り。
君との関係みたいで、
余計、苦しくなった。


あたしは君の何?
わからないのに、
のめり込む。


見つめたりしないで。
触れたりしないで。
あたしのココロ。
目に見えない滲む赤。

口づけたりしないで。
優しくもしないで。
あたしのキボウ。
滲んでいく未来。


あたしにもっと、
傷ついて、
あたしをもっと、
刻み込んで。

あたしなしでは、
毎日が色褪せて、
無力な喪失感に、
苛まれれば、
いいのに。

純愛なんて求めない。
あたしはもはや、
傷だらけ。
誠実なんて求めない。
あたしにばれない
嘘ついて。


ねぇ、
嘘でも、
なんでも
いいのよ。




あたしに覚めない、
夢をみせてよ。


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