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レン
【二次創作 官能小説】

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レン-23

そんな事は言われなくても、俺自身十分にわかっていた。
彼女は、自分を偽った俺を許してくれるのだろうか…。
だが考えた所で、その答えはでないだろう。答えは未来の彼女の中だけにあるのだから。

彼女達が納品へと向かって七時間、俺は再びINCの駐在官事務所へと戻っていた。
田端の携帯と、部屋にあったパソコンの詳しい分析を頼む為だ。
二人はもうトラックジャッカー達と接触出来ただろうか。
本来ならばもうとっくにアゲハの元に着いていなければならない時間だ。
無事に取引きが済めば、彼女から俺に連絡があるはずだが、まだ連絡は無い。
俺は携帯を手に取った。そしてアゲハに納品が済んだかを確認する。
アゲハの答えは否だった。
彼女とフールはまだ取引きの場所に到着してはいない。
俺は続けて警備の人間に電話をかけた。
『蓮だ、フールから何か連絡は入らなかったか?』
電話の相手はフール直属の部下だ。
「はい先程。トラックジャッカー達と交戦の後、奴らのアジトを特定したそうです。現在、警備部の人間が奴らの排除に向かっています。」
『場所はどこだ?!』
俺はすぐさまその場所を聞き出し、その場所に向かった。
その場所は東京郊外のある自動車修理工場。都心にあるこの場所からなら、コルベットよりも良い足がある。
俺は駐在官事務所に停めておいたオートバイに跨った。
コルベットスティングレイ、ポルシェ996カレラと共に、俺の足として働いてくれるハーレーダヴィッドソンFLHRだ。
俺は車達の間をすり抜け、トラックジャッカー達のアジトである修理工場へと向かった。
俺がその場所に到着してみると、そこはまさに惨劇の舞台であった。
警備部の人間が突入した際に射殺されたと思われる、六人の死体。知っている情報を吐かせる為、酷い拷問を受けて死んだ二人の死体。そのどれもが必要以上の攻撃を受けて死に至った事が明白だ。
どうやら田端の裏切りは、拷問によってはっきりしたようだ。
ならば俺がこの場にいる必要はない。俺はすぐにその場を後にした。
それを見た警備部の人間達は、きっと俺が機嫌を損ねたと考えただろう。
トラックジャッカーの排除は元々俺の仕事であり、それを警備部門に奪われた俺は彼等を本来ならば快くは思わない。
だが俺は逆に彼等に感謝しなくてはならないだろう。
これで確実に“重役会”は開かれる事になるのだから。

俺は築地の倉庫から少し離れた場所にハーレーを停め、彼女が納品から戻るのを待った。
暫くすると、倉庫街の入り口付近からポルシェの排気音が聞えだす。
その排気音はハーレーが停まる場所よりも、一本奥の道を通り倉庫へと近付いていった。
アクセル音が消え、辺りにはポルシェのアイドリング音が響いている。
俺はハーレーのエンジンを始動させた。
するとそれと同時に携帯が着信を知らせる。
『レイラか?』
俺はその着信にすぐ応えた。
「ええ、今から会えない?」
『少し走らないか?』
俺はわざとらしく、ハーレーのアクセルをふかした。そして彼女の元へと向かうべく、ハーレーを進めた。
「ポルシェの足なら充分に試させてもらったわよ?それともコルベットで?」
俺の視界には彼女の乗るポルシェが写っている。
彼女もこちらのエンジン音に気付いているだろう。
『そう言わずに、ポルシェで頼む。』


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