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鳴らない電話
【青春 恋愛小説】

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鳴らない電話-1

私は休日携帯をわざと忘れて図書館に行く。
マナーとかそういうことではない。
鳴らない電話を一日中待ってしまうからだ。
そして、音楽を聞きながらひたすら小説を読む。
私がこんな休日を送るようになったのにも理由がある。
私には中3からつき合っている彼氏(?)がいる。(現在高校二年生)
しかし、帰宅部でバイトもしてない二人なのだが月に1、2回しか会えない。しかも、その連絡しか来ないからめったに彼専用の曲が携帯から聞こえることはないのだ。
前は携帯を握りしめて部屋にこもってた。精神的に辛くなって携帯から逃げてきてる。
彼が初めて私に告白してくれたこの図書館に。
しかし、今日は違った。本日2冊目の本に集中しすぎて気づいてなかった…。
彼が目の前に座ってる事に。
目が疲れてふと目をあげると私を見つめる蒼人(あおと)の姿が。
「蒼人なにしてんの?」と私の問いに一言
「美羽を見てた(笑)」
そうじゃないだろう〜!
「だからぁ、なんで蒼人がここに居るか聞いてんでしょうが!!」
「あぁ、それは美羽の携帯にかけても出ないからここかなぁって思ってさ」
「はぁ?急用?」
「別に彼氏が彼女に会うのに用事なんか必要くね?」
嬉しいのが半分腹立たしいのが半分。
だったらなんで何の連絡もないのよ?
私がどれだけ寂しいと思ってんのよ。
っていうか私達つき合ってんの?
そんな私の思いをよそに
「俺は美羽に会いたかったから来たんだよ」と囁く。
ここでこんなこと言うなんてズルい。
私はまたこの手に騙されて蒼人からの電話を待ち続ける。
私には鳴らない電話を手放すだけの勇気はまだ持てない。


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