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「保健室の小さな秘密」
【教師 官能小説】

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想いの温まる場所-4

――本当に変かも。
何気無い奏子の一言がこんなに嬉しいなんて。
奏子と話していると、いつもみたいに顔を作ることができない。感情がすぐ顔に出てしまう。それを恥ずかしいと思う反面、嬉しいと思う自分がいる。

そして、ようやく理解した。
今までのオレが、他人に対し、どれだけ仮面を被ってたのかを…。
保健室には暖かい陽の光。
開け放した窓からは穏やかな風がカーテンを揺らしていた。

いつもは生徒で賑わう中庭も、今日は人の気配もなく静かなままだ。

「――で?どうしてこうなるのか教えてくれる?」
「…さぁ、なんでだろ?」

気付くと、奏子の腕を掴んで保健室のベッドの上にそのままスライディングした。っていうか、押し倒した…という方が正しいか。
「今日はイヤよ!昨日みたいな心臓が縮む様な思いはしたくないし!」
奏子が白衣の胸元を両腕でガードする。

昨日みたいな…。ああ、二人でいる時に生徒や用務員サンが来たヤツね。
「それに筋肉痛だしっ!」

じーっと奏子を見下ろす。
…目が真剣だ。
「別に何もしなくていいんだ、ただこうしてたいだけ」
奏子の首筋に顔を寄せる。
シャンプーかな、フルーティーないい香りが鼻先を霞めていく。

「…悠?」
ガードしていた奏子の腕が躊躇いがちに背中に回され、軽く抱き締めてくれる。
「どうしたの、なんか今日の悠変よ?」
耳元で心配そうな奏子の声。
ゆっくり顔をあげると、黒目がちな瞳。その瞳は、小動物を連想させる。
「なにか嫌な事があったの?」
真っ直ぐな視線が心の中を見透かしていく様で、なんだか落ち着かない。
「…何にもないよ」
奏子の髪の毛を撫でながら、いいきかす様に呟く。

こんなに心まで見てくれるのはオトナだから? 
それとも保健室の先生だから?
今までいなかった、心を許せる女の人は…。
皆見た目ばかりが必要で。
心まで見てくれる人はいなかった…。

「ほら、その顔。何もないわけないじゃ…んっ」
奏子のメガネを取って、言葉を唇で遮った。ゆっくり口腔内に舌を侵入させる。
「ん…、あふ…んんっ」
奏子から悩ましげな吐息が洩れた。躊躇いがちな奏子の舌を絡ませながら、唇を吸う。
たっぷりと唇を味わった後、顔を離すと奏子の顔は紅く上気していた。
ハァ…と、奏子が小さくため息をつく。
「ちょっと…悠」
オレの体を押し戻そうと奏子が腕に力を込めて来る。
それに抵抗しながら奏子の首筋に唇を這わす。
一瞬、奏子がビクンッと小さく反応する。それに気を良くして耳たぶを口に含む。
「んやっ!」
今度は大きく体をよじった。
「へぇー耳も感じるんだ」
耳元で囁くと、奏子が少し怒った表情で睨んで来る。


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