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エンゲイジ・リングを君に
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エンゲイジ・リングを君に-15

「どうしたんですか、昨日は?」

カフェオレで喉を潤した千晴は、早速切り出した。黒ぶちの眼鏡の奥の大きな目を光らせて。

「いや、その……」

「はっきり言ってくださいよ!自分から呼び出したんですから」

普段おとなしい少年は、今日はいつになく強気だった。

無理もない。フラれた片想いの相手との仲を取り持ってやるなんて言われたのに、肝心の二人が来なかったのだから。

「わ、悪かったな……」

ばつの悪そうに小声で言ってみたが、千晴は譲らなかった。

「僕は謝ってほしいんじゃありません」

強い言い方に、ついに真之も観念する。

「……驚かないで聞けよ」

千晴に顔を近付けて、さっきよりも更に小声で切り出す。聞かれたくないのだと察した千晴も、真之の口許に耳を寄せた。

「……」

「ええっ!?神田さんとこんや……ぐっ」

「シッ!声がデカイ!!」

お約束のように大声で繰り返そうとする千晴の口許を、とっさに塞ぐ。千晴は驚きのあまり、目を白黒させていた。

「ぷは……ほ、ホントなんですか?」

ようやく真之の手から逃れると、今度は小さめの声で尋ねる。

「ああ。といっても、婚約は先月解消してるけどな」

その言葉に、千晴が少しホッとするのが分かった。

「で、どうして僕に協力してくれようとしたんですか?」

元婚約者がそんなことをする理由は、千晴には少しも分からなかった。

真之は答えようと口を開きかけて躊躇する。

言ってしまっていいものか……?

「ショック受けんなよ」

一応、念は押した。

千晴が頷く。

「ゆきな、俺に惚れてたんだよ」

「……はぁ」

千晴が間抜けな返事をするのを聞いてから、真之はしまった、と思った。

これじゃあまるで、自意識過剰なだけである。

「つまり、だな。ええと……」

何と言えばいいかと口ごもると、千晴の方も口を開いた。


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