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秘密
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秘密〜蒼い天〜-2

2 秘密
〜蒼い天〜
「って、そんなことはどうでも良いんだけどさ」
ぽんぽんと先生の肩を叩いた。
「正直に自分の気持を伝えるべきだね。二人とも。って、菖ちゃんはもう言ったから・・・、」
「え・・」
顔がほてる。耳まで赤くなったのが分かった。
その様子を見て、翔さんが笑う。
「いいねぇ、顔に出るのが一番分かりやすくてスッキリするよ」
「はあ、」
それより、と先生の方を見た。
「和馬はどうなわけ?」
「は?・・どう、て」
突然話題を振られ、口篭る。
「お前の、気持ち。正直に菖ちゃんに伝えな」

ー余計なことを。

ぎっ、と翔を睨んだ。
「お前に色々言われる筋合いはない」
「相変わらず冷たいねぇ、君。そんなんじゃ菖ちゃんに愛想つかされるぞ」
「え゛っ!?」
驚いたように妃が翔を見る。
勢い良く後ろを見たので、柔らかめの長い髪がさらさらと揺れた。
「なぁ、俺、邪魔?もしかして」
ー今更気付きやがって。
「気付くの遅せぇよ」
肩に乗っていた手をのける。
「冷たいねぇ。・・菖ちゃん、こんなヤツだけど、ヨロシクね」
「え」
慌てたように、妃が目を見開いた。
「じゃ、俺はここで。後は二人で頑張れぇ♪」
ばいばーい、と手を振りながら笑顔で去っていった。


「ー・・・ふ、」
「え?」
「不思議な方ですね」
「あぁ、」
確かに、二十六歳にしてあそこまで年齢を気にしないのは、不思議というか変だろう。
「先生、」
不意に右腕を掴まれる。
「妃?」
「私、聞きたいです。先生の本当の気持ち」
「!!」
「ダメ、・・ですか?やっぱり・・・」
ーああああああああ・・ヤメテクレ。そんな顔で見るな。
「先生?」
「俺は・・・・」
ーどうしようか。言うべきか、言わないべきか。
 妃の顔が、少し歪んだ。
ー泣くのか?
 ぎゅっ、と掌を握り締める。
「好きです。先生の気持も聞かせて下さい」
「ー・・っ妃、」
「先生」
曇りのない、真っ直ぐな瞳で見つめてきた。
「ダメだ、妃。俺と居ても、何もない」
「せん・・っ、構わないもの!!」
「妃?」
「構わない!先生の命が短くても、それでも側に居たい!!!」
「妃・・・」
「先生の気持を聞かせて」
ー俺の、キモチ。
「妃には、婚約者が居るだろう?」
何とか話を反らそうとする。
「はぐらかさないでください!!・・・哉嗣は、関係無いですから」
 『哉嗣』と言うのか。あの男は。
「菖、」
「えっ?」
突然名前で呼ばれ、驚いたように俺を見た。
「ー・・・好きだ」


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