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チキンのススメ!
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チキンのススメ!-7

「私、勉強は頑張りました。とりあえず怒られなくなりました

でも、その分不安は膨らんで…

もし…

勉強が出来なくなったら、社会に認められなかったら―…

家族が私を見放すんじゃ無いかって…

今までは私がいい子にしてたから愛してくれただけで…
私が変わったら、捨てられちゃうんじゃないかって」

「怖いね…それ」

(認められたい…ね)

分かるっちゃ分かる…

社会がどうであれ…
大切な人には、自分の存在を認めて欲しい

例え自分に何の能力もなくても…勉強が出来なくても

それでも自分を必要として欲しい

そう思うのは、人として…当然なのかもな


と、言っても…

彼女の両親は、厳しくても、娘を愛していた

必要以上に厳しいのも、

多分…娘が社会に出て困らないようにっていう…愛情

だから、きっと見放したりはしない…

それは、彼女も分かってるんだ


そして彼女も家族が大好きで…
でも、だからこそ…不安は生まれる

近すぎて見えないモノも、世の中には沢山あるから


「怖い…

確かに社会に出たら能力で判断されるのかもしれない…仕方ない事です。

でも、だから…だからこそ
お父さんやお母さんには
認めて欲しかった

ただ、ありのままの私を…勉強とか能力とかじゃなくて…

私の存在を、認めて…評価して欲しい…」

いつの間にか彼女は泣いていた

体を縮めて、

震わして、


そんな彼女が、とても可愛いと思った。

オレは恋をしてるのか?

オレの観点では、違う…

この気持ちは、恋というより愛?

いや、自分でもクサイとは思うけど…

オレは、妹をなだめる兄の様な気持ちだった

家族の一員気分だ

オレの中では恋っていうのは、それこそ嫉妬とか性欲とか束縛とか、もっと自己中な衝動な気がしてる

でも、今泣いている彼女にそんなモノをぶつける気にはなれない


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