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かぐや姫
【エッセイ/詩 恋愛小説】

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かぐや姫-1

月夜の幻影
暗い欲望を掻き立てて
一夜限りのお付き合いを

月光に映える白い肌
腕で抱き留めて
私の奥深くまで
海の奥底まで
突き刺して
串刺して
心砕けてしまうまで

月から使いがやってきて
私が羽衣を纏うまで
私は貴方のもので
貴方は私のもので

細い首筋なぞるは
焦らす熱っぽい舌先
絡まる指先は
緩やかな愛撫の中
固く固く繋がれる

喉の奥から絞り出す
息絶え絶えの喘ぐ声
月の下に満ち満ちて
今宵限りの狂乱盛り
紡ぐ貴方は天の光
私の暗がりの中に
解き放って
熱い熱い痛みを

噫、満ちてゆく
噫、渇いてゆく
月光の下

使いは私の體に
羽衣を纏わせ
夜空へと昇ります

一夜の狂乱
貴方の腕を
貴方の声を
貴方の肌を
貴方の温度を
貴方の想いを
忘却の彼方へ消して
天に
月に
帰りまする


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