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《本当は君が…》
【純愛 恋愛小説】

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本当は君が…恋愛偏〜2-1

ミーン…ミンミンミーン
外ではセミが鳴いている。俺は冷房のきいた部屋で勉強しているのだ。涼しいなぁ…

…3ヵ月前、俺はクラスの女子に告白され初めて彼女ができた。断る理由が見つからなかったからだ…一緒に帰った日、由樹にキスをされ、それ以来俺は由樹とはあまり話さないでいた。しかし帰りはいつも誘われるので無言で家まで送っている。彼女とは先が長くなりそうだと思ってもやはり付き合うと言う事は俺とって難しい

今、ふッと!この前、学校での事を思いだした…

「ねぇ!正則?私、正則とお祭り行きたい!!」

机から顔をあげると目の前に由樹が立っていた
「いいじゃん!いいじゃん!行こおぜ☆」

これは俺じゃない。これは俺の幼馴染みでクラスが一緒の山下 貴春だ

「おい!人の話に勝手に入るな」

「え〜ぇ!いいじゃんケチ!俺と友香と由樹ちゃんとお前の4人で行けばさぁ〜!」

貴春は何人目か(笑)の彼女、友香を呼ぶ。

「…えっ?お祭り!私も行きたい!!」
俺には何も聞かず話しは進む         
「よしッ!じゃあ決まり!お祭りは今月の25日だから、一週間後ね!友香と由樹ちゃんは浴衣着て来てね☆」

「「わかった!」」
2人は顔を見合わせ笑っている。友香という子は貴春の彼女でもあるが由樹の親友でもあった。だから2人は仲が良くいつも一緒だった。
しかし友香が貴春と付き合うようになってから帰りは由樹一人だったらしく寂しかったと言っていた。
「でも、今は正則がいるから大丈夫だよ!」と最後に俺に笑顔を見せた。と言う事を前に帰り道で聞いた。

貴春たちが席へ戻ってしまうと、由樹が突然俺に耳打ちしてきた
「正則ッ!お祭りの日、家に迎えに来てくれる?私、一番に正則に浴衣見てもらいたいの?………ダメかなぁ?!5時に!」

「べつにいいけど………」
俺はそう言って話は終わった…
                  
俺は冷房の中で完全に眠っていた
「さむッ!…んッ?今日は25日…5時に由樹ん家…5時に……………もう4時50分だ―!!」
俺は自転車をカッ飛ばし由樹の家まで走る

「5時5分!…まぁ大丈夫だろ!貴との待ち合わせは6時!よしッ!」

俺は意気込んだものの指が震えインターホンを押せずに中島家の前で考え込んでいた
(よしッ!なんて、俺…こんなキャラだっけ?)

俺は腹を括り

《ピンポーン》
と1回押した、ここまでするのに約5分!

『ガチャ……はい?どなたですか?』

「あっ!俺だけど…」

『俺?………ねぇちゃ〜ん!俺って人が来てるよ〜?』

「えっ?今の誰!」
俺は動揺する
「ちょっと代って!………正則?!ごめんね?今の妹なの!すぐ行くから待って」

「…………うん…」俺は精一杯に恥ずかしいのを我慢した。そして由樹は玄関のドアを開けカラン,コロンとこちらに近付いてきた

「正則〜ごめんね?妹がでたの怒ってる?」

由樹は俺の顔を下から覗く。俺はこの時の由樹の顔にどこかがドキリと波打ったのがわかった。


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