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春待
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春待-2

スキナモノ。
遅い春を迎えた北の大地に生きる、白樺の樹。
そして飛び交う綿毛は。
冬の牡丹雪。
北の春を、白く彩る。
ずっと昔から。
今年も、来年も、再来年も。
永遠に。
この大地を愛す。

この地に吹く風となり、春を告げる。
それが私の唯一の仕事。
私はそよ。
春を駆ける、そよ風。
もうすぐ春。

春は、すぐそこ。

スキナモノ。
これを思うとき、すべては春はつながるのだと知る。

好きなもの、アイスクリーム。
花びら舞う桜の樹の下で、この冷たさと甘さを。
好きなもの、果物。
新緑芽吹く白樺の樹の下で、この滴る雫を。
私はいつでも愛している。
もうすぐ春。

春は、すぐそこ。

白く舞う雪よ。
また逢いましょう。


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