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「幼なじみ」
【幼馴染 官能小説】

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Distance〜幼なじみ3-1

涙涙の卒業式を終え、あたしは東京に行く準備を、終えた。
いよいよ、大阪からもお別れだ。東京に、美味しいお好み焼きの店なんかあるんだろうか。551の豚まんがないってほんまかな?
そんな事が、不安になる。知らない土地、知らない人…
「なぁ、551の豚まん食べたなったら、送ってくれへん?メールするから。着払いでもかまへんし」
「……お前さ、なんでそうなんねん?ほんま、色気より食い気やな。いつなったら、色気で俺を誘えるようになんねんな!」
「何よ、なんで怒ってんのよ」
「知るか!」
あたし、長谷川由佳は、幼なじみの前田隆志と付き合ってます。
ちなみにこの会話は…
「とりあえず、そんな怒らんといてや…恥ずかしいわ。新幹線の中やし」
「……せやな」
朝、大阪を出て、既に先に着いている荷物を新しい部屋で解き、その部屋で寝れるようにしなければいけない。
その手伝いを、なんと隆志がすると言うのだ。
あたし達の付き合いは、親達には内緒にしていた。
だから、度肝を抜かれた。隆志が、こんな事を言い出したから。
「俺が手伝うわ、おばちゃん。由佳が、大変やのに黙って見とれへん。18年間隣やねんから」
開いた口が塞がらないとは、このことや。
なにを好青年ぶってんねん!、と突っ込もうとした瞬間。
「ええの〜?隆志くんかて、忙しいやろうに。わざわざ東京まで!」

おかん!!!

「かまへんよ、卒業してるんやし、卒業旅行も東京にするねん。だから、あっちで連れと落ち合えばええんやし」

そんな話、聞いてへんで!

「いや〜、さすが隆志くんやわ!ほんなら、頼んでええ?」
「ええで」

よくない!!!

こんな会話により、今、新幹線にあたしと隆志が並んで座っているという訳だ。
「ほんま、あんたには驚かされるわ。旅行なんて嘘やろ?」
「当たり前や。俺は何しにわざわざ東京まで行くと思ってるねん?」
隆志は、腕をあたしの肩に回した。
ぐいっと引き寄せる。
「ちょっ…」
耳元で囁かれる。
「お前が浮気せんように、しに行くねんで?」

あたしの新しい住家は、白いマンションでワンルーム。ただし、微妙にこだわって、ロフト付き・キッチン広め・セパレート。
家賃が少しでも安くなるように、都心からは少し離れている。
「ふん……まあ、駅からそんな遠くないし、コンビニもあるか…」
「何よ、心配ぃ?」
段ボールから荷物を引っ張り出すあたしを、ちらりと見遣ると、いきなり後ろから抱きしめてきた。
「うわっ」
「由佳……心配に決まってるやろ。あんまり憎まれ口きいてると…」
あかん、ドキドキしてきた。なんか、今日の隆志はスキンシップが多い。
「聞いてると…?」
「中だしするで」
「…………」
最悪や。

深夜近くになって、ようやく部屋らしくなってきた。「は〜っ、さすがの俺も疲れたわ。だいぶ片付いたな」
隆志が肩を叩きながら、部屋を見渡す。
「ガスの開栓しといて良かったわ。お風呂沸かすから入ったら?」
「一緒に入ろーや」
ニヤニヤ笑いながら、服を脱ぎ出す。
「じ、冗談やめてや!」
何なんだろう、今日の隆志はなんだか……


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