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First Love
【純愛 恋愛小説】

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First Love-1

小さい頃から「将来は好きな人と結婚して幸せな家庭を築く」事が夢だった。
夫婦喧嘩の多い両親の元に産まれて、そういう環境で育った影響もあるのかもしれない。
中学にあがるまでは、幸せな未来が必然として来ると信じきっていた。けれど、歳を重ねていくうちに信じていた世界は音もなく崩れていった。
別に不幸だったとか、良いことがなかったというわけではない。
ただ…私の心を満たす何かがなかった。恋をしてもどこか物足りなかったり、友達と他愛無い話しをしても空虚感が残ったり…。
「私の心に穴を広げているのは何なんだろう」と何度も考えたこともあった。
そんな事を考えてみても結局答えなんて見付からないに。
必死にもがいて深みにはまっていく自分がいた。
誰かにわかって欲しいのに、いつも自分の殻に気持ちを押し込めていた。
誰にもわからないように…深い湖の底に沈めていたんだ。
でも、貴方はそれをすぐに見破ったよね。
そして、何も言わずに強く抱き締めてくれた。
たったそれだけのことなのに、私はずいぶん救われていたんだよ。
もちろん、抱き締められるのは初めてじゃなかったけれど
貴方に抱き締められるたび…
貴方と唇を触れ合わせるたび…
貴方の体温を体で感じるたび…
私の心に温かいものが沸き上がってきた。
あぁ…私の心に欠けていたピースをようやくみつけた。
「愛されている」
その実感がずっと欲しかったんだ。


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