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トラブルバスターズ01
【SF 官能小説】

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トラブルバスターズ01[一章]-9

パワードスーツと呼ばれたそれは、SFの世界では大昔から使い古され西暦2115年には先進国の軍にも実用化され、銀河歴が始まった頃には民間でも気軽に手の届く物になっていた。
機体の関節部に設置されたサーボモーターや油圧シリンダー等のアクチュエーターが操縦者の動きに追従した動きをして、人間には真似の出来ない力を操縦者に与える。
開発当初は介助用や資材の運搬用と開発が進み続けが、やはりと言うべきかパワードスーツもダイナマイトと同じく開発者達の思いなど虚しく戦場に引っ張り出された。
エクソスケルトン(外骨格)と呼ばれる骨の役割もはたす装甲は対人用の武器は歯牙にもかけない防御力を誇り、
ウェアラブルコンピューターとしての特性として何種類ものセンサや通信機器を内蔵して人間の五感以上の外部情報を得ることができ、
人間以上の腕力は使用武器の重量制限や反動を緩和して膨大な火力を搭載する事が出来る。
ようするに、パワードスーツは、『矛』『盾』『目』と揃った、敵に回すと恐ろしい『兵器』だった。
手榴弾が炸裂した時、レイは敵から気付かれずに自分達の輸送車に移動すると、急いでこのパワードスーツ[レイブン]を起動させたのだった。
ミリィの危機に間に合ったのは偶然としか言いようが無かった。
(やってやれない事も無いだろうが…退き際も大事にしないとな…)
想定外の武器を持ち出されたのでこの場は一度退く事に決めたザイードは最後の味方、唯一の仲間に合図を送った。
「逃がすわけにはいかねな」
逃げようとしていた気配を察知したか、バーニィがどこかに隠し持っていたのか、サブマシンガンを手にザイードを牽制して、三人で取り囲む。
「お前には色々と喋って貰わないといけない」
「そう焦るなよ。祭りは始まったばかりだ」
手下を失ってもザイードの余裕は消える事はなかった。
ミリィはその時、本当に偶然に隣のビルの屋上に人の影を見つけた。
ビルの屋上に人が居るのは珍しくないだろう。
しかし、その影は次の瞬間にライフルのような物を取り出した。
「狙撃兵が居る!隣の屋上」
ミリィは叫んだ。
[レイブン]のバッグパックに装備されたマイクロミサイルがポットから四発射出され屋上へと襲いかかる。
誤認だった場合には全く言い訳が出来ない程に容赦も再確認もない攻撃。しかし、確認なんて取ってはいられない。一瞬が生死を分ける事もあるのだから。
マイクロミサイルは人一人を倒すには十分過ぎる兵器だ。それが四発。
狙撃兵はこれで行動不能になるはずだった。
ドッドッドッドッカァ
空中で花火が散る。
四発も放たれたマイクロミサイルはどれもビルに届く事はなく空中で爆散する。
「撃ち落とされた?」
レイがそう認識した時に、機体に凄まじい衝撃が走る。
比喩などではなく実弾の雨ように降り注ぐ。
狙撃というはあまりにも弾数の多い攻撃。
その攻撃は装甲や関節部を保護するニューアラミド繊維をぶち抜く事は無かったが、襲いかかる衝撃はレイを自由に動くことを許さなかった。
倒れるのを耐えるレイの横をザイードが走り抜ける。
バーニィも後ろ体が容赦なくサブマシンガンでザイードの背中を狙い撃つ。
ザイードは十何発という弾が当たっているはずなのに気にする様子もなく、黒いワゴン車に乗り込む。
バーニィの弾丸が車のタイヤや硝子を叩くが、防弾仕様の施されているのか車体には破損することはできなかった。
ザイードが乗り込むとそのままワゴン車は急発進して去っていった。
「ちきしょう!なら狙撃してる奴をとっ捕まえて」
バーニィが振り返るとレイの乗る[レイブン]はもう攻撃を受けてはいなかった。
「あちらも逃げたようだ。二人とも鮮やかな退き際だったな」
拍子抜けしたバーニィにレイが冷静に告げる。
「追うか?ミリィ」
「止めておきましょう。伸びてる依頼人をほっとく訳にもいかないし」
妙に静かだと思っていたらいつの間にか気を失っているラックをテーブルの下から引きずり出す。
パトカーのサイレンが近付いてくる。
ここで警察に動きを束縛される事はミリィ達にとってあまりにも嬉しくないことだ。
いや、それ以上にラックの話を信じるならばこの地方警察は信用する訳にはいかない。
「ならば、ここを離れよう」
ぐったりと倒れているラックをレイが軽々とつまみ上げて担ぐと、彼等はこの場を立ち去った。

…続く


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