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たったひとこと
【コメディ 恋愛小説】

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たったひとこと【第6話:写真は嘘を語らない】-2

「今日の成之の話も面白かったぞ♪特に「キ―が高すぎて誰も歌えない校歌」の話はオレお腹痛くて」
「成之が笑い話?」

一平がぶっとジュ―スを吹く。

殺(や)られるっ!

「詩乃ちゃ―――ん!!それは」
「・・・くぅ」
「へ?」

地面をだんだんと叩く詩乃。

くやしぃ―――!!
アタシには笑い話なんてしないのにぃ―!!

詩乃は悔しさに身を震わせていた。

「・・・ま、エエか」
「六呂、ちょっと話が。じゃあ私達は教室に戻っているから」
「・・・ん」

一緒に出ていく六呂とマリ姉。
見送った後で一平が声をひそめて

「何か最近よく一緒におるよなあ、あの2人。まさかデキてたりしてな」
「まさかあ、あの2人が」
「そうですよ、馬鹿なこと言わないで下さい!もう」
「じょ、冗談やがな」
「いや、本命が変わるってのは誰にでもあるぜ?だから成之、オレと幸せになろ!」
「ちょっと何くっついてんのよ!」
「・・・」

談笑(?)している皆を無視して成之はすっかりうつ向いていた。





「あ―よう食った!そろそろ教室戻ろか」

ぞろぞろと屋上を出るお昼組。
そっと詩乃の手を掴む者が1人。

「ちょっと話があるんだ。ここに残ってくれ」
「え?」





晴天続きの空はまさしく平和そのものの様相、船のように流れる入道雲。伸びる2つの影。

これはもう・・・告白っすか!?

うっ、嘘ぉ!?成之も急すぎるよ!そして屋上ってベタ過ぎるよ―!
あぁ朝急いでたから髪もハネてるし、ハンガ―かけ忘れてたから制服もしわがあるし・・・

「詩乃」
「ひゃっ!ひゃい!!」

追い風に成之の前髪が揺れている。時折、間から覗く2つの目。それは直視出来ない位にプレッシャ―を与えるものだった。

好きだ、って言われたら何て答えよう・・・アタシも前から好きでした。ベタかなぁ?
別にいいよ。うわあ、とりあえず今は相手いないからアナタと付き合ってあげる感丸出しじゃん!そんなんじゃダメだぁ!
愛してるよ・・・成之♪おいおいおいおい、なんてねなんてね・・・


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