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「空気が」
【悲恋 恋愛小説】

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「空気が」-1

この空気は
あの時の空気と似ていた
初めて君と会った頃の
春の兆しを感じさせるあの空気
少し生温くて
空は蒼くて
風がやさしい
そんな
君を想い出すような
思わず
空を見上げるような
愛しくて、切なくなる空気
もう会えないのに
分かっているのに
君が
「あゆこ!」
そうやって呼んでくれそうな……――

涙が止まらなくなる
その場に蹲って
へたり込んで
座り込んで
ふと
空を見上げて泣いた
蒼い
高い
広い
なのに
君はいない
もう帰っては来ない
もう会うことはない
「潤…。」
呟きを、風に乗せる
さらわれて、消えた


どうせ、
どうせ消えるのなら
あの人のいる場所へ
届けて欲しい
この
伝えられなかった想いを
遠く離れたあの人へ
3年間の時を経て


きっと、届けてくれるよね

今日の風は、優しいから


今日の空気は、愛しいから

●End●


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