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刃に心
【コメディ 恋愛小説】

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刃に心《第17話・戦、始まりて…準備編》-2

「「合言葉」」
「…認めたくないものだな、自分の若さゆえの過ちというものは」
「入室」
「許可」

僅かに扉が開く。その隙間を潜り抜けるようにして、疾風とその後ろから刃梛枷が入ってくる。

「ただいま」
「ご苦労」
「…あの合言葉どうにかならない?いろいろと問題がありそうなんだけど…」
「前向きに善処しておこう。で、頼んだものは…」
「ほら」

疾風と刃梛枷は書類の束を武慶に渡した。
武慶はそれをパラパラと捲る。

「何なのだ、アレは?」

楓が隣りに来た疾風に尋ねた。

「あぁ…アレは…」
「……他クラスの選手名簿…」

疾風の代わりに刃梛枷が答える。
楓は驚きの表情を作った。
今の時期、他クラスも情報の漏洩には気を遣っている。

「でも…まあ、当たり前か…」

だが、この二人にしてみればそのような素人の防壁など無いに等しい。

「……だけど全てじゃない………あるクラスだけは探れなかった…」
「…同じく」

武慶の書類を捲る手が止まった。

「……1年A組…」
「…3年G組」

楓はその二つのクラスをよく知っていた。

「…やはりと言えば、やはりだな」

武慶は呟くと書類を机の上に置いた。

「月路朧先輩の3年G組、そして疾風の実妹、忍足霞の1年A組が最大の障壁になると思われる」

武慶の重々しい口調に辺りに緊張が走る。

「朧殿と霞が相手となると、この家は安全なのか?」
「問題無いよ。俺は喋らないし、あらかじめ盗聴器も全部潰しておいた」
「…やはりあったのか」
「あぁ…俺の部屋に3つ、この居間に5つ、台所と洗面所に1つずつの計10個…多分、楓の部屋にもあるはずだから、後で調べといて」
「ああ、判った」
「まったく…我が妹ながらよくやるよ…」

呆れたように言うと、楓はクスッと笑った。

「静粛に!これから選手を選抜するが、その前に一つだけ再確認してほしい…
日ノ土の体育祭は無法地帯、ということだ。これだけは再度、肝に銘じておいてくれ。以上だ!」
「では、選手を決めよ〜♪」

希早紀が種目の書かれた紙を広げる。

「…どういう意味だ?」

楓が問い掛けた。刃梛枷も同じく聞きたそうな顔をしている。


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