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HAPPY LIFE
【学園物 恋愛小説】

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HAPPY LIFEI-1

「明日香〜!…おい!明日香!」


シカトかよ。
昨日は俺のこと散々待たせておいて、今日はこれか。

「明日香」
俺は目の前にいる明日香の肩を掴んだ。

「きゃぁ!何すんのよ」

何ってなんだよ。

「姉貴が教室まで来てくれって」
「え?」
「え、じゃなくてさ。用があるって」
「私にですか?」

この言葉を聞いてようやく異変に気がついた。

「…明日香?」
「私は明日美です」
「あすみ…?」
「はい」
「明日香じゃなくて?」
「はい」
「あっ…そう」

(なんだこいつ。あぁ、もしかして俺のことビックリさせようとして嘘ついてんのか?でもなんのために?)
朝っぱらから難題を突き付けられた俺は、ただ目の前にいる明日香によく似た明日美という奴をジッと睨み付けた。その時、彼女の不安そうな顔が満面の笑みに変わった。

「あなた、もしかして明日香のボーイフレンド?」
「はぁ?!」
「はじめまして。私、明日香の双子の妹の橘明日美です。よろしくね」
「よ…ろしく」

目の前にいる明日香によく似た双子の妹の明日美という奴は、俺の手を取って無理やり握手をしてきた。
訳が分からないまま再び相手の顔をよく見た。

(双子って言ったって、いくらなんでも似すぎじゃねぇ?)

「雄大?」

聞き慣れた声に振り向くとそこには明日香がいた。

「お前、明日香?」
「どうしたの雄大?頭でも打った?」
「明日香だよな?」
「うん」

改めて二人を見比べた。
髪型から顔の表情、背格好やしぐさまで同じ…



やべ…わかんねぇ。


「明日美、先生が探してたよ。転校初日に迷子になったって騒いでた」
「ははっ、じゃあ行ってくる。またね!」

二人は同じ顔で笑いながらお互いに手を振っている。
まさか同じクラスじゃねぇだろうな。もしそうなったらヤバいよな、俺、絶対見分けられないし。

「ビックリしたでしょ?」

無邪気に笑う明日香。この笑顔が好きなんだって、改めて実感。


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