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刃に心
【コメディ 恋愛小説】

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刃に心《第16話・肝試し度胸試し》-6

◆◇◆◇◆◇◆◇

「何が『……怖い…』だあ!何が『大丈夫?』だあ!何をいい感じでイチャついておるのだぁあ!」
「誰か、五寸釘持ってねえか!?藁人形じゃなくて、アイツ本人に叩き込んでやるから!!」

バッタンバッタンと暴れる二人。
声の音量は下げているが、決して尾行に適したものだとは言い難い。

「まあまあ、お二人とも落ち着いて。霞さん、首尾は如何です?」
「少し遅れましたが、もうすぐ祠に着く頃だと思います」
「では、先を急ぎましょう♪皆さん、静かにお二人の姿を見て楽しみましょう」
「お〜♪」
「「おー」」

ここで言う『お二人』とは、果たして疾風と刃梛枷なのだろうか…?
どちらかと言えば、嫉妬に狂う楓と千代子で楽しんでいるような気が…

「うふふ…♪」

◆◇◆◇◆◇◆◇

その頃、疾風と刃梛枷は祠の前に来ていた。
小さな引き戸の前には長方形の紙が小石を重し代わりにして置かれている。

「これか…」

疾風は小石を退けると御札をポケットに終った。

「それじゃあ、戻ろう」
「……待って…」

進路に従い、反対の道を行こうとした疾風を刃梛枷が呼び止めた。

「ん?何?」
「……これ…」

ほとんど聞こえない声で刃梛枷はポツリと呟いた。
手のひらの上では小さな銀色のキーホルダーが月明りに照らされ、仄かに輝いていた。

「くれるの?」

こくりと首肯。

「……同じの………あるから…」
「ありがとう」

疾風はキーホルダーを受け取った。

「大切にするよ」

その言葉にぽっと、刃梛枷の頬が僅かに朱に染まる。
刃梛枷はそのまま俯いた。

「刃梛枷?」

不審に思った疾風が問い掛ける。刃梛枷は静かにに顔を上げた。その感情の映らない瞳には珍しく、決意の光がきらめいている。

「………私は……」

じっと疾風の目を見つめ、口を開いた。

「おぉ!」

一方、竹藪に潜む希早紀が小さな感嘆の声を上げた。


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