投稿小説が全て無料で読める書けるPiPi's World

刃に心
【コメディ 恋愛小説】

刃に心の最初へ 刃に心 134 刃に心 136 刃に心の最後へ

刃に心《第16話・肝試し度胸試し》-4

「……行こう…」
「えっ!?」
「……私とじゃ嫌…?」
「嫌ってわけじゃなくて…」

言葉を濁しながらベンチでうなされている楓を見た。

「楓さんなら私が看ていますのでご心配なさらずに♪」

そんな疾風を察してか、朧が言った。
疾風は少し考えた後…

「…判りました」

若干の不安はあるものの、刃梛枷が行きたがっているようなので、楓は朧に任せる事にした。

「じゃあ、いってきます」
「いってらっしゃいませ〜♪」

浴衣の袖をソッと押さえながら朧が優雅に手を振る。口許には穏やかな…

「うふふふ…♪」

………穏やかだが、黒いオーラを包んだ笑みを浮かべている。
疾風は背筋に冷たいものが流れるのを感じた。本能的にアレに関わってはならないと警告音が頭の中に響く。
歩く速度を上げる。
二人は足早に暗闇の中へと進んでいった。
それと、ほぼ同時に武慶と希早紀が疾風達が行ったのと反対───左の道から帰ってきた。

「お帰りなさい♪どうでしたか?」
「さいこーでした♪しぃ君なんか、恐怖のあまり硬直しちゃってました♪アレ?かえちゃん、どーしたんですか?」

希早紀は武慶から離れるとベンチに横たわる楓の元へと向かった。
武慶はへなへなと、楓が横たわっているのとは別のベンチに座る。

「いい思いができたみたいですねぇ♪」
「…む、胸が…き…さき…結構…ある…」

まるで、うわ言のようにぼんやりと呟く。
顔は真っ赤で、熱に浮かされているようだ。
そう…恋の病からくる熱によって…♪

「あんまり、上手くないですよ♪」

そ、そうですか…結構、自信あったのに…

「「ただいまです」」
「お帰りなさい♪楽しめました?」

朧が双子とその間でブスッとした表情の千代子に問い掛けた。

「疾風がいねえのに、楽しめるかッ!!」
「う、う〜ん…」

千代子の怒鳴り声によって、楓が苦しげに身体を起こした。

「アレ…疾風は……」
「ああ、それなら…」

かくかくしかじか。

「「何だとぉおお!!!!!!!!」」

状況を理解した楓と千代子が叫ぶ。

「「それより驚きなのは…」」
「驚きなのは?」
「「今時、かくかくしかじかで話を省略する事だね」」
「あ、私もそう思った!」
「違う!論点はそこじゃない!」
「ふふ♪で、皆さん…」

非常に嫌らしい笑みを作ると朧は皆の方を向いた。

「尾行…しません?」


刃に心の最初へ 刃に心 134 刃に心 136 刃に心の最後へ

名前変換フォーム

変換前の名前変換後の名前