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舞い斬る華
【ファンタジー 恋愛小説】

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舞い斬る華 第五章-1

あれから二週間…

共に食事を取り、共に戦い
最初はギクシャクだった4人の息もなかなか合うようになっていた

三人は元々のセンスも抜群だったようで、老師やお偉いさんの思っていた予定より早いペースで修行は進んだ。

「ねぇねぇ椿ぃ♪」
椿の元に目を輝かせ笑顔で走り寄るシルディア

「また来たかっ!」

これはシルディアが新しい技を編みだし、早速椿に試そうとするパターンだ

ダッシュしてきたシルディアは突然刀を振りかざす!
そのままダッシュで横斬り!

それを椿が刀で受ける

ガキィィン!と金属の激しくぶつかった音が響く!

「ん?」

目の前にはシルディアの太刀だけ…
と、次の瞬間!

ドガッッ!!

刀での斬り込みでそっちに視線を集め、不意をつき椿の下にスライディングしていたシルディアが、気功のこもった蹴りを椿の腹部にお見舞いする

鈍い音と共に宙に舞い上がる椿
放物線を描き、どさっと地面に落ちる。

いくら不死身の体でさらに鍛えている椿でも、これはたまらない
痛みでのた打ち回り、ゴホゴホむせた。

それを見て得意満面なシルディア
「んっふっふ♪」

あれからシルディアは気功を偉老師に教わって特訓していたが、さすがに老師のような気功の達人までは行かずとも、脚だけはそこそこのレベルになっていた。
普段の訓練から何かしら色々使えそうな技を身につけては椿に試す。

これが日常な風景だった。

が、もちろん椿も負けていない!
数秒後には斬り合いに発展している。

寝室は別々だし、あれからソッチの方は発展していなかったが、良き友として、良い仲として、良いライバルとして、二人の腕、技は着々と進化を続けていた。

「ほう…二人とも、ずいぶんと腕を上げてきたのぅ。
攻め方も実践向きになってきたし…
これならもうそろそろ戦線に出向いても十分な力は発揮出来るだろうて」

シルディアの後からゆっくり追ってきた偉老師が歩きながら老人特有のほのぼのとした笑顔でいう。

そして隣に居るハロルドの方を向いて
「君も、よくアレだけの短時間でそれほどに上達した。
積み重ねで得れる経験をスポンジのように吸収していったのぅ
3人とも驚くべき上達ぶりじゃわい
これも若さかの〜」

そしてまた誰も聞いてない高笑いをした。


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