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刃に心
【コメディ 恋愛小説】

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刃に心《第14話・サイレントマインド〜静かなる想い》-7

「………本当に恨んでいない……?」
「ああ」
「………貴方には嫌われたくない……」
「本当に気にしてないから」

そこで刃梛枷は口を閉ざした。頭の中でいろいろと整理するように少しの間黙った。
数秒後、刃梛枷の口が小さく動く。

「……信じる………ありがとう…」
「どう致しまして」

ほっとした表情になると疾風は携帯の時計を確認した。

「そろそろ、いいかな?楓を待たせてるから」
「……うん…」
「それじゃあな。また…」
「……あ…」

背を向けようとしたとき刃梛枷の吐息のような小さな声が聞こえた。

「ん?」

振り返ると刃梛枷が何かを言いたそうにしていた。
夕日に映える顔は紅く染まり、綺麗だった。

「……あの………私も一緒に帰っていい…?」

刃梛枷にしては珍しく口ごもるような、恥ずかしそうな口調だった。

「いいよ。なら、早く行こう。楓の機嫌がまた悪くなると大変だから」

静かに頷くと、刃梛枷は疾風の隣りに並んだ。

「すごいよな…その足音立てない歩き方」
「……黒鵺は元々暗殺部隊………無音歩行術は基本………私も里で仕込まれた…」
「へぇ…」

そんな他愛もない?会話をしながら出入り口のドアに近付く。

「ヤバッ…」

それを見て、楓達が慌てて退却しようとする。

「…ちょっと押すなよ!」
「さっさと行かぬか!何をしておる!」
「彼方が邪魔で行けないんだよ!」
「彼方!」
「生まれてきて良かった…♪」
「馬鹿者が!」
「うわわ…疾風君達来るよ!」
「だから、押すなって…」

最後尾の武慶の足がズルッと滑った。
それに伴い、全員のバランスが崩れ、瞬く間に人間雪崩と化す。

───ズザザザザ…バキッ…ドシャ…

「…何やってんの?」

ドアを開けた疾風が見たものは重なりあって倒れる友人達。

「いたたた…」

皆がそれぞれに立ち上がる。大きな怪我は無さそうだ。

「ほら…」

疾風が階段を降りて、手を貸す。幸い、大きな事故には至った者はいないようだ。


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