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伊藤美弥の悩み 〜受難〜
【学園物 官能小説】

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恋人達の悩み 〜Obstacle Girl〜-15

「あぅ……!いい、よぉ……龍之介ぇ……!」
龍之介は美弥の反応に酔い痴れ、さらに深く激しく突き上げる。
「もっと……もっと気持ち良くなって、美弥」
美弥は何度も頷き、龍之介の上で舞い踊った。
「くぅっ……ふっ……っあああ!!」

ぞくうっ

「っあ……!美弥、どいっ……てっ……!!」
何の前触れもなく襲って来た腰が砕けるような快感に、龍之介は慌てる。
「いいっ……よ!この、まま……!」
「っく……美弥ぁ!!」
龍之介は、美弥の最奥で果てた。
「りゅうっ……りゅうううっ……!!熱い、よぉ……!!」
子宮へ何度も叩き付けられる熱い精液に、美弥は声を上げる。
「っんで……!」
龍之介は、声を上げた。
「何でそう中出しされたがるかなぁ!?」
美弥は甘く蕩けた顔で、龍之介の唇を奪う。
「むぐっ……」
「……っぷ……りゅうの事、好きだもん……体の奥までりゅうが欲しいから、しちゃうもん……」
美弥は乳房で龍之介の顔を挟んだ。
「……や?」
不安の揺れる瞳で、美弥は問う。
「ヤだよ」
龍之介の答は、はっきりしていた。
「その時が来たら、産んで欲しいよ。でも今は自分の面倒しか見れないんだし……出来た赤ちゃんを堕ろす事になったら、嫌だよ」
「……うん」
美弥は満面の笑みを浮かべる。
「ごめんね。今度から、気を付ける……」


二人が風呂から上がると、瀬里奈が真っ赤な顔をしていた。
酔いではなく、羞恥で。
「…………あ。」
理由を悟った美弥は、頬を赤く染める。
「お風呂、ね……マジックミラーに、なってて……」
瀬里奈が呟き、龍之介が手を振った。
「気にしないように。こっちも気にしないから」
「う、ん……」
気まずい沈黙が落ちる。
「……」
龍之介は、ため息をついた。
「それでも気になるなら、交換条件を出そうか?」
「何?」
瀬里奈が食いついて来る。
「僕達が正月早々こんなとんでもない事に付き合った理由、分かる?」
「……いいえ」
「覗き見していた手前、笹沢さんがフラれてヤケになって自殺でもしたら寝覚めが悪いからさ」
「……!」
「だから、約束。軽はずみな真似はしないで欲しい」
「……ええ」


ホテルを出ると、瀬里奈は頭を下げた。
「迷惑、かけちゃったね……ごめんなさい。それと、ありがとう」
頭を上げた瀬里奈は、笑みを見せる。
「大丈夫……だから。掻き回したあたしが、こんな事言うのも何だけど……元旦、楽しんでね」
二人が口を開くより早く、瀬里奈は去って行った。
その姿が見えなくなり……美弥は、龍之介の腕に自分の腕を絡める。
あまり人前でベタベタしたがらない美弥がこういうアクションを起こす事は、珍しい。
龍之介は照れて、頬を赤くする。
「へへっ……」
ぎゅっとしがみつかれて、龍之介は妙な顔になった。
「…………何かあった?」
「だって嬉しいもん」
ぎゅーっと腕にしがみつかれる。
「いつになるかは分からないけど、いつかは龍之介の赤ちゃん産めるんだぁ……って思うと、嬉しいじゃない?」
「あ……」
龍之介は、表情を変えた。
「……まさか、嘘?」
その変わりぶりを見た美弥は、悲しそうな顔をする。
「本気だよ!」
思わず叫んでから、龍之介はさらに赤くなった。
「その……ほんとに……大人になって、自活できるようになったら……産んで欲しい」
美弥は、涙混じりの微笑みを浮かべる。
「はい」
龍之介は美弥の涙を指で拭い、そっと唇を重ねた。
人生の伴侶となる日。
その日がいつになるのか、まだ分からない。
けれどその日は遠い現実ではなく近い未来である事を、二人は確信していた……。


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