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綺麗になった
【悲恋 恋愛小説】

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綺麗になった-1

君は
綺麗になった
すごく
綺麗になった

出会いたての春よりも
口付け交した夏よりも
隣寄り添った秋よりも
別れを告げた冬よりも
君は
綺麗になった

茶色くなった髪色も
ピンクになった唇も
制服の着こなし方も
君は
綺麗になった

でも
変わらない

そのゆっくりな喋り方も
照れた時の頬を掻く癖も
屋上で居眠りする習慣も
君は
変わらない
あの頃の
綺麗なまま
僕が知ってる
あの頃の綺麗な君
僕だけが知ってる
あの頃の綺麗な瞳


君は
綺麗になった
すごく
綺麗になった
だから

だから
僕から離れていった
君の
輝きを失わないために

●End●


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